コアとスレッドが「大幅に」増える

インテル、Itaniumのロードマップを発表

2007/06/18

 米インテルはまだしばらくの間、Itaniumプロセッサを堅持する意向だ。

 同社は6月14日、Itaniumのロードマップに関する詳細を明らかにした。現在の「Montecito」プロセッサは2007年下半期までに刷新する計画だと同社幹部は述べている。

 2008年後半までにはコードネーム「Tukwila」と呼ばれる次世代版Itaniumをリリースする。これは、8つのソフトウェアスレッドを同時に処理できるクアッドコアプロセッサとなる。

 これら2つのプロセッサを投入後、インテルは32nmプロセスで製造する別のItanium(コードネーム「Poulson」)を投入。次いで「Kittson」というプロセッサが登場する。

 PoulsonとKittsonについて、インテル幹部は発売時期やどんなアーキテクチャーを採用するかなどの詳細をほとんど明かさなかった。ただ、Poulsonは従来世代のItaniumに比べ、コアとスレッドが「大幅に」増えるという。

 インテルサーバプラットフォーム部門副社長兼ジェネラルマネジャー、ダイアン・ブライアント(Diane Bryant)氏によると、PoulsonとKittsonは45nm製造プロセスを飛ばし、32nmプロセスに直接移行する。45nmプロセスの採用は2007年中に、Penrynシリーズのプロセッサで開始予定。インテルの計画では、初の32nmプロセッサとなる「Westmere」は2009年までに投入する。つまりPoulsonプロセッサは2009年後半か2010年までに登場する可能性があるということだ。

 ハイエンドサーバの分野でインテルのItaniumはIBMのPOWERおよびサン・マイクロシステムズのUltraSPARCと競合している。IBMは5月21日、クロックスピード4.7GHzの次世代版POWER6プロセッサを発表した。サンの次期UltraSPARCは「Rock」と呼ばれ、2008年に登場予定。16コアを搭載し、同社のマルチスレッド技術を採用する。

 インテルのItanium製品は過去に何度も出荷予定がずれ込むことがあったが、現行のItanium 2の刷新版となる「Montvale」は予定通り製造が進んでおり、2007年中に出荷できると同社幹部は強調する。Montvaleは現行の Montecitoプロセッサの中で最高の性能を持ち、クロックスピードは1.6GHz、24Mバイトの3次キャッシュと533MHzのFSB(フロントサイドバス)を搭載し、消費電力枠は104ワットとなる。

 しかし、ブライアント氏が6月14日のプレゼンでほとんどの時間を費やしたのは、クアッドコアのTukwila Itaniumプロセッサに関する説明の方だった。

 Tukwilaはマルチコアプロセッサであるだけでなく、内蔵型のメモリコントローラと、同じ熱設計枠を保ちながら現行のItaniumのパフォーマンスを倍増させることを狙った高速インターフェイス(FSBの代替となる)が特徴だ。インテルのエンジニアは、今後登場予定のXeon製品に対応した新しいチップセットにも取り組んでいる。

 Tukwilaでは仮想化機能が強化され、Double Device Data Collectionという新機能を搭載する。これはDRAMエラーが連続した場合、プロセッサのDIMMを動作させるRAS(安定性、可用性、セキュリティ)機能となる。

 現時点でItanium搭載サーバを提供している米国の大手ベンダはヒューレット・パッカード(HP)のみ。しかしインテル幹部は、2006年のItanium搭載システム販売額が34億ドルになったというIDCの統計を強調する。日立製作所、NEC、富士通などほかのベンダも、Itanium搭載システムを提供している。

 こうした新システムに加え、約1万2000本のアプリケーションがItaniumプラットフォーム用に開発されているとブライアント氏は話した。

原文へのリンク

(eWEEK Scott Ferguson)

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