エンタープライズにもWeb 2.0を
企業向けマッシュアップを3日で作る、オラクルが新ツール
2007/06/18
日本オラクルは6月18日、複数の企業情報システムや外部のサービスを組み合わせてアプリケーションを開発できるマッシュアップのためのフレームワーク「Oracle WebCenter」を6月19日に出荷すると発表した。コンシューマ向けネットサービスのマッシュアップ事例はいくつもあるが、企業向けのマッシュアップ事例はまだ少ない。オラクルは既存の情報システム環境に手を加えずに情報を取得しやすくするマッシュアップへのニーズが企業でも高まってきていると判断した。
日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏は「Web 2.0技術はサービスの短期開発を実現し、コスト構造を変えていく。WebCenterはエンタープライズでWeb 2.0を実現する」と話した。
WebCenterは3つのコンポーネントで構成する。「WebCenter Framework」はJ2EEやJavaServer Faces(JSF)をベースにしたWebアプリケーション実行のためのフレームワーク。AjaxやJava Portlet、WSRP 2.0などの標準仕様をサポートする。実際にアプリケーションを開発するのは統合開発環境フレームワークの「Oracle Application Development Framework」。EclipseなどのJ2EE統合開発環境のほかにオラクルの「Oracle JDeveloper」をサポートし、マッシュアップのWebアプリケーションをビジュアルに開発できる。
WebCenterはマッシュアップして利用できるコンポーネントも用意する。「WebCenter Services」の名称で、コンテンツ管理の「Oracle Content Database」や検索の「Oracle Secure Enterprise Search」、掲示板の「Jive Forum」、Wikiの「YaWiki」、プレゼンス確認とインスタントメッセージングの「Oracle Communication&Mobility Server」が付属する。
オラクルはWebCenterのデモンストレーションとして、「MCFrame」(東洋ビジネスエンジニアリング)、「戦略箱」(インフォファーム)、「SVF」(ウイングアーク テクノロジーズ)をマッシュアップしたサービスを紹介した。ビジネスプロセスの進ちょくに応じて画面が遷移し、エンドユーザーの操作をナビゲーションする。Ajaxを活用し、操作感を高めた。三澤氏によると「外注さんにお願いしてWebCenterで3日で作ってもらった」。業務システム側には変更を加えずに「ユーザーインターフェイスとビジネスロジックを分離でき、システムに柔軟性を持たせることができる」(三澤氏)という。
WebCenterの価格は1プロセッサ当たり656万2500円、または1指名ユーザー当たり13万1250円。6月19日にLinux、Windows対応版を出荷開始し、7月3日にSolaris版などを出荷開始する。業務システムのマッシュアップをターゲットに初年度は30件の採用を目指す。
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