すべての付加機能は追加料金なしに利用可能
イコールロジック、シン・プロビジョニングもストレージの標準機能に
2007/06/26
製品の運用管理の容易さと斬新なビジネスモデルで注目されるiSCSIストレージベンダのイコールロジックは6月26日、同社のストレージシステム「PSシリーズ」にシン・プロビジョニング(Thin Provisioning)機能を追加すると発表した。同機能は6月29日にリリースされるPSシリーズ・ソフトウェアのバージョン3.2に含まれる。
一般的なストレージシステムでは、付加価値機能を利用する際、その都度ソフトウェアライセンスを購入する必要がある。しかしイコールロジックではすべてのソフトウェア機能を製品価格に含めており、今回のシン・プロビジョニング機能も追加料金を支払うことなく利用できる。
「シン・プロビジョニング」とは、アプリケーションに対して実際に用意されている物理ストレージよりも大きな領域を仮想的に割り当てることのできる機能。そしてこの割り当てを変更することなく、実際の物理ストレージ容量消費に従って、段階的に新規のストレージを追加していくことができる。
電子メールサーバなどでは、ストレージ消費量の予測が難しい。このため、運用管理者は当初から、必要と思われる容量を大幅に上回るストレージを導入しがちで、結果として大きな無駄が発生する。
シン・プロビジョニングでは実際のストレージ利用状況に応じて、少しずつストレージシステムを追加していけるため、ストレージ投資における無駄を減らすことができる。複数のアプリケーションを単一のストレージで統合運用し、このストレージにシン・プロビジョニングを適用すれば、利用効率はさらに向上する。この技術はまた、データセンターにおける電源消費や発熱、スペース不足の緩和効果ももたらす。
シン・プロビジョニング機能を実装した他社製品はすでに存在しており、イコールロジックが一番乗りではない。しかし、他社では「ハイエンド製品のみに搭載されている場合もある。基幹システム用のストレージ消費は比較的予測しやすいので、ハイエンド製品で提供してもあまりメリットがないのではないか」とイコールロジックの代表取締役社長 秋山将人氏は指摘する。同社のPSシリーズは中小・中堅企業に向けたストレージ製品であり、だからこそこの機能が生きると同氏はいう。
米イコールロジックのマーケティング担当副社長 ジョン・ジョセフ(John Joseph)氏は、シン・プロビジョニングのオン・オフが簡単なのも大きな特徴だと述べた。PSシリーズでは、管理ツールのチェックボックスにチェックを入れる、外すといった操作だけで、シン・プロビジョニングの有効/無効を切り替えることができる。
「すべてのケースでシン・プロビジョニングが正しいともいえない。管理者はこの機能をある程度試してみて、やはり物理的なストレージ管理に戻したいと思うかもしれない。こういう場合、PSシリーズでは即座にこの機能をオフにして元に戻すことができる。他社の場合はライセンス料を支払い、プロフェッショナルサービスを依頼してシン・プロビジョニングに移行した後で後戻りすることはできない」(ジョセフ氏)。この柔軟性を大きな特徴としてアピールしていきたいという。
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