IPAが警告
USBメモリウイルスが増加、先祖返りする感染手法
2007/07/03
情報処理推進機構(IPA)は7月3日、USBメモリを媒介に感染するコンピュータ・ウイルスが複数出現しているとして注意を呼びかけた。電子メールやWebサイトなどネットワークを介して感染するウイルスが現在の主流だが、ネットワークウイルスが登場する前はフロッピーディスクやCD-ROMで感染するウイルスが多く見られた。USBメモリウイルスの増加は、感染方法の先祖返りといえる。
IPAには6月、「USBメモリをPCに挿したとたん、ウイルス対策ソフトがウイルスを検知した」との相談が多く寄せられたという。USBメモリに感染するウイルスは、外部メモリを検索し、自分自身をコピーし、自動実行ファイル(Autorun.inf)を作成する「W32/SillyFD-AA」「W32/LiarVB-A」がある。
通常、USBメモリ内のAutorun.infは自動実行されないが、Windows Vistaの初期設定だけは別。初期設定のままではUSBメモリ内にAutorun.infと実行ファイルが入っている場合、USBメモリを挿すだけで実行ファイルが起動する。実行ファイルがウイルス本体の場合は、PCが感染する。
対策の基本は出所不明のUSBメモリをPCに挿さないこと。IPAは加えて、Windows VistaでUSBメモリのAutorun.infが自動実行されないように設定を変更することを推奨。Windows XP/2000ではUSBメモリを挿しただけではAutorun.infが自動実行することはないが、「マイコンピュータ」からUSBメモリを認識したドライブをダブルクリックすると、ウイルスを含む実行ファイルが起動してしまう。IPAはダブルクリックする前にウイルス対策ソフトウェアでチェックしたり、WindowsエクスプローラでUSBメモリ内のファイルを確認することを勧めている。
IPAによると6月のウイルスの検出数は約50万個で、5月から35.5%の減少。ウイルスの届出数は2898件で、5月と比べて14.3%の減少だった。
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