OrangeOneが提案、年内にサービス開始か

ブロードバンドで儲からないキャリア、次は「PCコンシェルジュ」

2007/07/06

 韓国Rsupportと、ミロク情報サービスの大株主であるエヌケーホールディングス、ベンチャー企業支援のジェネサスが2006年11月に設立したOrangeOneは、国内通信キャリヤやISPと協業し、コンシューマのPCについての悩みやニーズに広く対応するPCコンシェルジュサービスを年内にも開始する。通信キャリアやISPがネット接続サービスにオプションとしてPCコンシェルジュサービスを追加する。

 PCコンシェルジュサービスはRsupportが開発したリモートコントロール技術がベース。同技術はPCが別のPCをネットワーク経由で操作できる技術で、ASP形式で提供される。国内ではすでに1000社がこの技術をPCサポートやネット証券のサポートなどに活用していて、「主要なPCメーカーはサポートにこの技術を使っている」(OrangeOne)。コールセンターのオペレータが、自分のPCに顧客のPC画面を表示し、顧客のPCを操作して問題解決を図るケースが多い。

orangeone02.jpg Rsupportが開発した技術の利用例。オペレータPCのデスクトップに顧客PCの画面が表示され、操作できる

 リモートコントロール技術はWindowsの標準技術など数多いが、Rsupportが開発した技術の特徴は、99.99%という接続性の高さ。操作される側のPCはWebブラウザを起動し、オペレータに伝えられたURLとアクセスコードを入力するだけ。ActiveXがダウンロードされ、接続が確立する。顧客PCからオペレータPCに対して画面の描画情報を送信する仕組み。独自プロトコルを使っていて高速な画面表示が可能だ。オペレータが顧客PCのシステム情報を参照したり、任意のURLをWebブラウザで開かせることなどができる。

orangeone01.jpg OrangeOneの代表取締役 春日原森氏

 PCコンシェルジュサービスはRsupportが韓国の通信キャリアとすでに展開している。ブロードバンド整備がほぼ終了した韓国では通信キャリア間のリプレース合戦になり、値引きなどで利益率が低下。この打開としてオプションサービスを顧客に提案できるPCコンシェルジュサービスが伸びている。OrangeOneの代表取締役 春日原森氏は「オペレータ側で顧客のPC環境が把握できるので、オプションサービスなどいろいろなお勧めができる」と説明した。韓国の例ではウイルス対策オプションを売り込んだり、ソフトウェアのインストール代行を行うケースがある。春日原氏は「韓国と同じ悩みを日本の通信キャリアやISPも持っている」と話した。

 OrangeOneは現在、PCコンシェルジュサービスについて「通信キャリアやISP、マネージドサービス企業とディスカッションを始めたところ」(春日原氏)。「通信キャリアやISPの反応はとてもよい」といい、年内には1社とPCコンシェルジュサービスを立ち上げることを予定している。

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(@IT 垣内郁栄)

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