SAPジャパン2007年下半期の事業戦略
成長の鍵はパートナー・エコシステム、SAPジャパン
2007/07/30
SAPジャパンは7月30日、2007年度上期の業績の総括と下期の事業戦略を発表した。
直近第2四半期のソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売り上げは前年同期比39%増の134億2000万円。2桁増の好調な伸びを示した。
同社は2005年まで事業の主軸をERPパッケージ「SAP/R3」の販売に置いていた。最近の2年間で「エンタープライズSOA」をコンセプトとした企業システム構築事業へシフトしたことが最近の好業績に大きな影響を及ぼしている。パートナー企業との協業体制構築に積極的に取り組み、機能のポートフォリオの継続的な拡張と強化をエコシステムを通じて提供するという基本的な枠組みを作り上げたことも大きな要因といえる。
現在同社の売り上げに占めるメンテナンスサービスの比率はおよそ40%(ソフトウェアのライセンス販売が30%、コンサルティングが30%)。このことは、長期間に渡って固定的な収益を上げる基盤を構築したことを意味している。
2007年上半期のハイライトとして同社が挙げるのは、「エンタープライズSOAインテグレーションセンター」の設立や、新SAP All-in-One パートナーソリューションの開始といったパートナーとの協業施策だ。SAPジャパン 代表取締役社長 ロバート・エンスリン(Robert Enslin)氏は2年前の社長就任記者会見で、パートナーを通じた事業の規模拡大を掲げたが、2年経った現在、エンスリン氏の計画は着実に進展し、実際数字も付いてきている。
2007年下期も国内のパートナー企業との協業内容を強化する方向で、さまざまな手を打つ。SAPのコミュニティ(SAP Developers Network、Business Process Expert、Industry Value Net)への日本企業の参加促進や、コミュニティ内での日本企業の発言力強化は重要な課題だ。そのほか、SAPジャパン本社内に「エンタープライズSOAコンピテンスセンター」を設立、パートナー企業の製品との接続性検証などを行える環境を整備する。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
最新記事
|
|