短時間で多くの認証を処理

ウォークスルーで虹彩認証、松下が“見つめない”新システム

2007/08/03

 松下電器産業 パナソニック システムソリューションズは8月3日、ゲートを通るだけで虹彩認証が可能な日本初のウォークスルー認証システムを開発したと発表した。従来の虹彩認証と異なり、目を合わせる動作が不要なため、多くの乗客が利用するゲートなど、短時間で多くの認証を処理する必要がある場所で利用できる。

iris01.jpg ウォークスルー虹彩認証システム

 ウォークスルー虹彩認証システムは、総務省の研究開発プロジェクト「ユビキタスセンサーネットワーク技術に関する研究開発」で行われた「高精度人物認知技術の開発」の成果。

 新システムは、複数のデジタルカメラをゲートに内蔵する。1.2メートル離れた位置から1台のカメラが人の顔を認識。そのうえで残りの200万画素カメラで目を含む広範囲を撮影する。撮影した画像に対して新開発の「目位置検出方式」のシステムを適用し、高速、高精度に目周辺の画像を抽出して虹彩認証を行う。認証所要時間は2秒以下。目位置検出方式は、目領域の濃淡情報から作成したテンプレート画像と入力画像で相関値を算出することで目位置を探索する「テンプレートマッチング方式」を採用した。

 広範囲の撮影画像から虹彩認証を行う仕組みのため、人が目の位置を認証機器に合わせる動作が不要になる。虹彩認証の他人受入率は120万分の1以下。松下によると新システムの発売時期、価格は未定。

(@IT 垣内郁栄)

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