オラクルの中堅、中小企業向けマーケティング施策
「オラクル都市伝説キャンペーン」実施、“間違った噂”を払拭したい
2007/08/06
日本オラクルが売上高1000億円以下の企業群に向けていくつかの新しい施策を展開する。6月には同市場を担当する専任組織「クロスインダストリービジネス推進本部」を設置した。
日本オラクル常務執行役員 三澤智光氏によると、売上高1000億円以下の企業群における情報システムに対する主なニーズは、「わかりやすく、簡単に、安価に」の3つのキーワードで表現されるという。ITの導入によって戦略的な事業展開を行う、あるいは、分散するデータベースを統合して骨太のシステムを再構築するといった「攻め」のニーズではなく、各社が導入している業務パッケージとデータベースをいかに簡単に連動させるか、という非常にシンプルなものがニーズの大半を占める。
これまでも同社は、中堅、中小のビジネスパートナーを通じて製品を販売したり、支社(全国8社)を拠点に地域単位で中堅、中小企業をカバーするなどの施策を展開してきた。また、アプリケーションビジネス推進本部 チャネル営業部を通じて、業務アプリケーション「JD Edwards」シリーズの拡販にも力を注いできた。
さまざまな施策を展開しながらも、同社から顧客に至るまでの販路はかなり複雑で、ハードウェアメーカーから、ディストリビュータ、販社、SIer、ソフトハウスなど、呼び名は異なるが同社の製品を販売するさまざまなステークホルダーが存在しており、顧客(およびパートナー企業)に対して、「間違った認識や古い認識が広まって」(三澤氏)いた。
そこで同社は中堅、中小企業向けのキャンペーン施策として「オラクル都市伝説」キャンペーンを実施、「オラクルは高い」「オラクルは難しい」「オラクルは高飛車だ」といった認識を覆(くつがえ)しながら、正しい“オラクルの都市伝説”を、専用Webサイトを通じて流布していくことを狙う。
パートナー企業の技術者に対し、新たな技術支援プログラムも実施する。「500セミナーで5万人の技術者応援プログラム」とし、技術者の役に立つコンテンツの見直しや、セミナー受講方法の見直しを行う。
さらに、技術情報や開発ライセンスキットなどを提供する「Oracle Partner Network Member Partner」プログラムの内容を刷新、専用のWebページを用意し、サポートノウハウやパートナー限定の技術情報を提供するなど新たな体制を構築する。同プログラムには現在800社が参加しているが、2007年度中に1600社まで増加させる予定。
これらの施策を通じて、同社は2007年度中に、中堅、中小企業市場で前年比20%の成長を見込んでいる。
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