全製品ラインにわたり新製品や新機能を発表

EMC、夏のストレージ製品リニューアル大攻勢

2007/08/07

 このところソフトウェア関連の話題が多かったEMCジャパンが8月7日、ストレージシステム全般にわたる多数の発表を行った。同社執行役員 マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長 古谷幹則氏は、「今後の製品開発(の方向性)を示唆する発表」と総括した。

emc01.jpg EMCジャパン 執行役員 マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長 古谷幹則氏

 全体を貫くメッセージは“やさしい(易しい・優しい)ストレージ”だという。運用・管理が容易で、電力効率の高さから環境にも優しく、セキュリティと可用性の両面で情報の保護にも優しく、投資の保護で懐にも優しい、を目指したとしている。

 ハイエンドストレージ製品ラインの「EMC Symmetrix」では、新たな最上位シリーズ「EMC Symmetrix DMX-4」を発表した。DMX-4のバックエンドでは、ディスクドライブまでポイント・ツー・ポイントの4Gbps接続を実現。DMX-3シリーズにおけるデイジーチェーン接続と比べ、大容量化にも対応しやすい設計となっている。併せてディスクドライブでは750GB SATA IIの選択肢も新たに提供。高密度なディスクドライブによりスペース効率が高まるほか、電力消費も500GBドライブに比べ33%少ないという(750GB SATAIIドライブは、今回ほかの製品ラインでも全面的に採用された)。

 DMX-3、DMX-4に共通のシステムソフトウェア「Enginuity 5772」の新バージョンでは、キャッシュやディスクアダプタのアルゴリズム改変により、シーケンシャルな読み出しのパフォーマンスが最大30%向上するなどの高速化が実現したという。

 ミッドレンジ製品ラインの「EMC CLARiX」では、システムソフトウェア「EMC CLARiX FLARE」の新バージョンで機能を強化した。新バージョンではRAID6を新たにサポートしたほか、iSCSIを使った遠隔レプリケーションに対応。管理権限や監査に関する機能も改善した。

 エントリレベルの製品ライン「EMC Celerra NS」では、最下位機種として「EMC Celerra NS20」を新たに投入する。NAS、iSCSI、ファイバチャネルSANと3種類の接続が可能で、同時発売の管理ツールを使うと、開梱から本番稼働まで15分で済むという。既存機種のNS40でもマルチプロトコル接続が可能なモデルを追加する。

 さらにストレージ仮想化アプライアンス「EMC Rainfinity Global File Virtualization」の機能をファイルアーカイブに限定した「EMC Rainfinity File Management Appliance」が発表された。新製品は既存製品の約半分の価格で、マルチベンダのNASを配下に持つことができ、使用頻度が低いデータを下位のストレージ階層に自動的に移動する機能を果たす。

 同社はアーカイブストレージ製品の「EMC Centera」でも監査機能などを追加した。

 ストレージリソース管理ツールの新バージョン「EMC ControlCenter V6.0」ではVMWareによる仮想サーバ環境との連携を実現、仮想サーバとストレージのボリュームのひも付けによる管理、VMware ESX ServerやゲストOSの稼働状態に関する監視やレポート作成などを新機能として追加した。

 EMCジャパンはこれらの新製品を、8月下旬から9月上旬にかけて出荷開始する。

(@IT 三木泉)

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