サイボウズ・ラボがアクセスログ共有サービス開始
del.icio.usやはてブを自動化するとこうなった
2007/08/08
サイボウズは8月8日、創業10周年を迎え、新戦略や新サービスを発表した。同社 代表取締役社長の青野慶久氏は、「10年前に創業した際には、3人でマンションの1室でスタートしたが、東証マザーズ、2部と成長し、いまでは社員700名の一部上場企業にまで成長した。今後は国内で1番使われるグループウェアを目指したい」と、創業10年を振り返りコメントした。
サイボウズのグループウェアのシェアは現在24.6%で、IBMのLotusNotesの29.3%に次いで2位。2万5000社250万ユーザーに利用されているという。また、ここ2年間でM&Aを積極的に実施し、取り扱いソフトウェアが増えたことで「分かりやすさがウリのサイボウズのラインアップが分かりにくくなってきた」(青野氏)とのことから、事業戦略を一新。大きく製品ラインアップをサイボウズOfficeを中心とした「サイボウズかんたんシリーズ」と、ガルーンを中心とした「サイボウズガルーンシリーズ」の2つに整理する。
かんたんシリーズには、サイボウズOfficeに加え、デヂエやメールワイズなどが含まれる。ガルーンシリーズは、サイボウズブログやドットセールス、ワークフローなど中堅〜大企業向けの製品が中心だ。10周年記念として、定価10万円程度の製品を8080円で販売するキャンペーンも実施する。
新たな事業戦略として、既存顧客との関係を強化する「リレーションマーケティングの強化」を実施。2008年1月末までにリリース予定のサイボウズOffice 6を中心に、電話フォローやユーザーコミュニティの設立、導入ガイダンスなど、既存顧客との関係を強化するとした。青野氏は、「これまで、販売後サポートが不十分な点があった。これからは、まずお客さまが購入すると使い心地などを伺うために当社から電話をかけることになる。既存顧客サポートを強化する」と説明した。
また、サイボウズ・ラボが開発した新サービスとして、アクセスログ共有サービス「Pathtraq」を発表した。Pathtraqは、ユーザーのブラウザに拡張機能をインストールすることで、そのユーザーのアクセスログを収集し、その統計情報を公開するサービス。拡張機能が対応しているブラウザは、Internet Explorer 6とFirefox。
PathtraqのWebサイトでは、収集したアクセスログを基に解析した情報を「総合」「人気のニュース」「2chの人気ページ」など種類別に公開している。また、URLを入力すれば、そのWebサイトのアクセス履歴や「前に見ていたページ」「次に見たページ」なども見ることができる。また、「http://*.atmarkit.co.jp/ http://*.itmedia.co.jp/」と入力すれば、@ITとITmediaのアクセス比較なども可能だ。青野氏は、「いままで、Yahoo!が日本で1番読まれていることは分かっていたが、その中でどのページが1番読まれているかまでは分からなかった。また、調査会社などを通さなければ、競合他社のページビューなども知ることが難しかった。しかし、Pathtraqを使えば、Yahoo!のどのページがよく読まれているかが分かるし、競合他社との比較も簡単にできる」とメリットを強調した。
なお、プライバシーの観点から、アクセスログは統計情報のみを保存し、各ユーザーの行動を追跡するようなことは行わないほか、アクセス元のIPアドレスは、スパマー対策としてハッシュ化されたURLとともに1時間メモリ上に蓄積するものの、その後自動的に消去するとした。また、ユーザーは任意でPathtraqのログ収集機能を一時的に停止することもできる。
サイボウズ・ラボ 代表取締役社長 畑慎也氏は、「インターネット検索も、昔のYahoo!ディレクトリ検索のような“手動型”から、Googleのような“自動型”へ変化していった。ソーシャルブックマークも現在のdel.icio.usやはてなブックマークのような手動型から、Pathtraqのような自動型に変化していくと予測している。そうすることでサイレントマジョリティの声も聞こえてくるようになる。現在、ネットレーティングスが7000人を対象に調査を行っているそうなので、Pathtraqは1カ月で1万人を目指す」と語った。
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