古典的サイクルから考える
Web 2.0バブルはこんな感じに崩壊する
2007/08/09
この数カ月、新たなテクノロジバブルの崩壊――この場合、Web2.0バブル――が近づいていると警鐘を鳴らすテクノロジアナリストや評論家が増えている。もし、わたしがそうした評論家に異論を唱えるとあなたが思っているのなら、考え直した方がいい。もちろん、新たなバブル崩壊は近づいているのだ。
こうしたバブルに関わる話を聞いて、わたしは古典的なバブル崩壊サイクルを考えた。過去のテクノロジバブルを分析すると、「純然たるテクノロジ」から「純然たるマーケティング」へという常に同じ展開が見えてくる。この展開に目を向けると、バブルが身のためにならないほど肥大化しすぎて崩壊するのが、いつなのかが分かるかもしれない。
では、テクノロジバブルはどうやって始まるのだろうか? バブルの最初は、すべてがテクノロジだ。この時点では、発明家が参加してくる。ここで参加してくるのは、電子商取引、ソーシャルネットワーキング、PCソフトウェアなど新しい画期的なテクノロジのアイデアを持っている人たちだ。この段階では、参加者は技術的に優れているが、マーケティングスキルを持たない。彼らの画期的技術に注目しているのは、同じように技術的な関心を持つ人々だけだ。
次の段階では、革新的な起業家が参加してくる。この手の人たちは技術を理解している上に、実際に人々が欲しくなる製品を作るマーケティングスキルと販売手腕も持っている。新技術の話題を作り出すこともできる。
ここでテクノロジとマーケティングの均衡点に至る。テクノロジバブルにおいて、最も重要で優れていて、最も長続きするソリューションが作られる――マイクロソフトであろうと、アマゾンであろうと、グーグルであろうと、イーベイであろうと――段階でもある。
残念ながらこれは、テクノロジではなくもっぱらマーケティングに携わる人々が一口乗ろうと決心する段階でもある。そういう「起業家」がどういう人なのか分かるだろう。がまの油売りだ。うまいことを言って、自分たちが一番クールで重要な新技術を持っているのだと、ベンチャーキャピタリストからマスコミ、一般大衆に至るまで信じ込ませてしまえる人たちだ。
では、彼らの製品が何もできなかったら、実際にもうけを出すすべがなかったら、すでにある製品の劣化版だったらどうなるだろう? 彼らは自分と製品の売り込みに長けているため、空騒ぎを作り出すことができる。
だが、彼らがばらまいているのはホラ話ばかりだ。ホラが膨らみすぎたらバブルがどうなるのか、分かるだろう。
はじけてしまう。
そうしてバブルははじけ、その原因を作った恥ずべき宣伝屋をつぶす(もっとも、たいていはもっといい目に合うべきまともな企業もいくつかつぶれてしまうが)。
だが、バブル崩壊は必ずしも悪いことだとは限らない。テクノロジに関していえば、浄化作用があるかもしれない。すべてのホラがなくなれば、テクノロジはその本来するべきことに落ち着けるだろう。結局、ドットコムバブル崩壊のダメージにもかかわらず、電子商取引は好調にやっている。
だからバブルサイクルに注目して、いつホラを避ければいいかを知っておくことだ。そして覚えておいてほしい。いまもどこかに、新しいテクノロジバブルの最初の泡を吹き出そうとしている、技術力があってマーケティングに弱い発明家がいるということを。
(eWEEK Jim Rapoza)
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