「サプライチェーン継続評価サービス」

富士通が調達のノウハウをコンサルサービスとして外販

2007/08/21

 富士通と富士通総研は8月21日、サプライチェーンを構成する取引先の評価モデルを共同で開発したと発表した。富士通の購買本部を発注元とした実際のサプライチェーン評価モデルを元に、コンサルティングサービスとして商用化したもの。「サプライチェーン継続評価サービス」として、富士通総研が2007年下期から販売し始める。電子部品を扱う製造業を中心に30社の発注元企業へ提供する予定。

富士通写真 富士通 取締役上席常務 岡田晴基氏

 富士通では、大規模地震や風水害などの不測の事態に対応するため、購買本部が中心となり、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定作業を行ってきた。2005年9月にはBCPを具体的な行動に落とし込むための専任組織を設置、同社のサプライチェーンの事業継続を高める取り組みとして、調達部品の標準化や部品点数の削減、および取引先交渉窓口の一本化といった施策を展開してきた。これらの活動と並行して、取引先と(サプライチェーンの)課題の共有化や最適な調達実現に向けた改善活動に取り組んできた。2006年11月からアンケート形式による取引先のBCM(Business Continuity Management)能力の調査を開始した。

 今後は、従来からのマネジメント調査アンケートをより緻密な内容とした上で、取引先のBCM能力(経営BCM能力)と部品の供給継続能力(部品BCM能力)を評価し、ランク付けしていく。

 経営BCM能力と部品BCM能力の評価点によって、サプライチェーンを構成する取引先は、DからSAまで5ランクに分類される。この評価結果は同社の取引先評価制度に反映され、部品選定の指標としても活用される。ランクが低い取引先(格付けCランク以下)に対しては、富士通と富士通総研が、問題点の分析やアドバイスなどを行う。

 富士通総研が販売する「サプライチェーン継続評価サービス」は、以上のような評価モデルをベースとしたコンサルティングサービスである。同サービスは「取引先BCM基本評価サービス」(企業の事業継続マネジメント能力評価)と「取引先BCM個別評価サービス」(調査対象部品の事業継続能力評価)、および「サプライチェーンBCMコンサルサービス」(基本評価と個別評価を加えた調達戦略策定のコンサルティングサービス)の3つのサービスで構成されている。

 価格は未定。なお、富士通のサプライチェーン内における取引先評価などの取り組みは無償で行う。

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(@IT 谷古宇浩司)

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