W-ZERO3でもサクサク動く業務アプリを実現

アクシスソフト、モバイル向けリッチクライアント製品を強化

2007/08/23

 アクシスソフトは8月23日、Windows Mobile/CE搭載のスマートフォンや業務用ハンディターミナル向けのアプリケーション実行・開発環境「Biz/Browser Mobile V3」「Biz/Designer Mobile V3」および「Biz/Browser Mobile for Windows」を発表した。CPUやメモリといったリソースに制約のあるモバイル環境にも、PCと同様のリッチクライアントプラットフォームを提供していくという。

 一連の製品は、アクシスソフトがデスクトップPC向けに提供してきたリッチクライアント製品「Biz/Browser XE」とGUIベースの開発環境「Biz/Designer XE」をモバイル環境向けにアレンジしたものだ。同社代表取締役社長の永井一美氏は、「コアなプログラミングの知識がなくとも、デスクトップ版アプリケーションと同じ感覚でモバイル版アプリケーションの開発ができるようになる」と述べている。

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 Biz/Designer Mobile V3では、Biz/Designer XEと同様のGUIで、在庫管理や受発注システム、グループウェアといったリッチクライアントアプリケーションを開発できる。さらに、PC上で動作するエミュレータであるBiz/Browser Mobile for Windowsを併用することで、作成したアプリケーションのデバッグ作業を効率的に行えるという。

 アプリケーション実行環境であるBiz/Browser Mobile V3でも、いくつかの機能が強化された。例えば、機種ごとのユーザーインターフェイスの個体差を吸収し、データ表示時のリソース消費を最小限に抑える「FlexView」、日付や数値などの入力値をコントロールし、ミスや不正な入力を防ぐ「DateEdit」「NumberEdit」といった機能を備えている。さらに、モバイル端末には付きもののオフラインモードへの対応、暗号化やハッシュによる改ざん防止といったセキュリティ機能もサポートされた。

 永井氏は「デスクトップの世界では開発者は、メモリ管理などの問題を考慮することなく、『どういったアプリケーションを作るか』という部分にフォーカスできる。しかし、モバイルの場合そこまで環境がこなれていなかった」と指摘し、一連の新製品により、そうした制約に頭を悩ませず開発できるようになると述べた。

axissoft02.jpg アクシスソフト 代表取締役社長の永井一美氏

 アクシスソフトでは第1弾として、ウィルコムの「W-ZERO3」向け実行環境「Biz/Browser Mobile V3 for Advanced W-ZERO3[es](WS011SH)」を8月23日より出荷する。価格は3万9000円から。11月にはBiz/Designer Mobile V3やBiz/Browser Mobile for Windowsをリリースするほか、他機種対応製品を順次投入し、業務向けモバイルリッチクライアント市場において50%のシェア獲得を狙う方針だ。

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(高橋睦美)

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