Webサイト読み上げサービスがVistaとIE7に対応

Webサイトのページ不良率、東京はブービー賞

2007/09/04

 インフォ・クリエイツは9月4日、Webサイトの文字を拡大したり音声で読み上げたりできるWebブラウザ「やさしいブラウザ」がWindows VistaやInternet Explorer 7に対応したと発表した。併せて、全国47都道府県のWebサイトのJIS対応度合いランキングを発表した。

加藤氏写真 インフォ・クリエイツ 代表取締役社長 加藤均氏

 やさしいブラウザは、日本IBMが開発した「らくらくウェブ散策」をベースにASPサービス化したもの。ユーザーは無料でダウンロードして利用できる。やさしいブラウザでWebサイトを閲覧した場合、高齢者や視覚障害者向けの「Webサイトの文字・画像拡大機能」や「音声で読み上げ機能」、色覚障害向けの「色の変更機能」などを利用することができる。

 企業側がやさしいブラウザ対応のWebサイトを構築したい場合には、まず既存のWebサイトをやさしいブラウザで閲覧できるように、Webサイトのガイドラインである「日本工業規格(JIS X 8341-3)」に対応させたうえで、同社と契約する必要がある。音声読み上げWebブラウザでは、「タイトルから読み上げる」や「画像はalt属性を読む」といったルールが存在する。そのため、このガイドラインでは、「Webページには必ずタイトルを付ける」や「画像にはalt属性などを用いて説明文を書かなくてはならない」といった規則を設けた。

やさしいブラウザ写真 やさしいブラウザを使ってWebサイトを表示したところ。下部には文字を拡大表示するウィンドウが別途表示されている

 インフォ・クリエイツでは、JIS X 8341-3に則したWebサイト作成を推進するため、2001年から全国都道府県のWebサイトなど1000以上のWebサイトを診断。今回、2006年におけるJIS診断結果のうち、問題があるページの割合が多い「ページ不良率ランキング表」と、問題のあるファイル数を数えた「問題ファイル数ランキング表」を発表した。

 ページ不良率ランキング表とは、Webサイトのうち「各国語/地域別対応」や「スクリプト機能使用時の対応」「ページタイトルの欠落/空白」といった問題を診断した結果を都道府県別に順位付けしたものだ。ランキング1位で最も不良率の低かったのは秋田県で、2位宮城県、3位京都府と続いた。東京都は46位でブービー賞、最下位は静岡県だった。

 問題ファイル数ランキング表は、「画像に説明文のないもの」や「プラグイン/アプレット内容の対応に問題がある」といった問題のあるファイル数をランキングしたもの。1位は不良率と同じ秋田県で、2位佐賀県(同9位)、3位は鳥取県(同32位)だった。ブービー賞と最下位は、不良率と同じく東京都と静岡県だった。加藤氏は、「2001年の計測開始以来、対応度合は低下の一途を辿っていたが、総務省などがこれらについて本腰を入れ始めたことで、2006年やっと好転してきた。CMSを導入することにより、よい結果につながるケースが多いようだ。しかし、まだまだ改善の余地は大きい」とコメントした。

 インフォ・クリエイツは、やさしいブラウザのWebサイト管理者版を有償で用意。これを利用することで、Webサイトのコントラストの程度を計測できる「グレースケール測定機能」や、音声ソフトが読み上げる順番を可視化できる「リニアライズ機能」、JIS X 8341-3に準拠しているかどうかを測定できる「JIS確認機能」の3つの機能を提供する。

(@IT 大津心)

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