ディスクドライブの利用効率化機能も強化

シマンテック、新NetBackupは“まとめる”、“広げる”

2007/09/05

 シマンテックは9月5日、大規模環境向け統合データバックアップ・ソフトウェア製品群の新バージョン「Veritas NetBackup 6.5」を9月11日に提供開始すると発表した。

netbackup01.jpg シマンテック マーケティング本部 プロダクトマーケティング本部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャー 浅野百絵果氏

 NetBackupは、企業におけるバックアップ/リカバリ環境の多様化に統合化や簡素化で対応するシマンテックの「Storage United」というビジョンを支える柱となる製品で、「今回のバージョンアップも単なるマイナー・バージョンアップに留まらない」とシマンテック マーケティング本部 プロダクトマーケティング本部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャーの浅野百絵果氏は話した。

 おもな新機能にはまず、大規模なディスクバックアップにおけるディスクドライブの効率的な利用や負荷分散を実現する「Flexible Disk Option」がある。NetBackupでは対象サーバ群を複数のバックアップサーバで分担し、並列的にバックアップ作業を行うケースがある。これまではバックアップサーバそれぞれに専用のディスク論理区画(LUN)を割り当てるようになっていたが、新バージョンではすべてのLUNをすべてのバックアップサーバが共有できるようになった。このためディスクスペースの利用効率を高められるとともに、別の新機能である負荷分散/フェイルオーバー機能との組み合わせで、バックアップサーバの障害時にはほかのバックアップサーバが作業を代行できるようになった。

 さらに複数のディスクボリュームを統合的に利用できる機能が加わった。空き容量の大きいディスクドライブを選択してバックアップしたり、データの価値に応じて自動削除における優先順位を調整したりできるようになった。

 また、データの重複排除を行う同社製品「NetBackup PureDisk」との連携により、バックアップデータの容量を削減できるようになった(同機能の利用には今年末から来年初めにかけてリリースされるPureDiskのバージョン6.5が必要)。

 新バージョンではさらに、ネットワークアプライアンスと共同で開発したOpenStorage APIを提供。これによりストレージ機器ベンダがNetBackupと自社製品を連携できるようにしている。例えば機器ベンダの実装するボリュームコピー機能やデータ重複排除機能と、NetBackupとの整合性を確保できる。

 シマンテックはまた、新たなライセンス体系としてキャパシティベース料金モデルを追加した。これは現在14以上ある各種オプションを3つのライセンスパッケージにまとめた上で、バックアップ対象データ量と対象サーバ数をベースとして課金するもの。利用するバックアップサーバやアプリケーション数に限定はない。

(@IT 三木泉)

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