異なる仮想OS間でのドラッグ&ドロップも可能に
VMware Workstation新版は「最高のデバッグツール」
2007/09/19
ヴイエムウェアは9月19日、デスクトップ/ラップトップPC向け仮想化ソフトウェアの最新バージョン「VMware Workstation 6(日本語版)」を発表した。ホスト/ゲストOSとして新たにWindows Vistaをサポートしたほか、開発やテスト作業を支援する機能が加わっている。価格はオープンプライス。
VMware Workstationは、1台のホストOS上に仮想環境を構築し、複数のゲストOSを稼働させることができる仮想化ソフトウェアで、WindowsやLinux、Solaris、FreeBSDなど幅広いプラットフォームに対応している。同社が提供する仮想化ソフトウェアは複数あるが、「Workstationには、VMwareの製品の中で一番最初に新しい機能が入ってくる」(同社システムズエンジニアリングマネージャの平谷靖志氏)という位置付けで、今後のサーバ製品の展開を占う上でも重要な製品だ。
新バージョンでは、特に開発者やテスト担当者の作業を支援する機能が加わった。EclipseやMicrosoft Visual Studioといった統合開発環境(IDE)との統合が図られ、仮想マシン内部のプログラムを直接実行し、デバッグできる。これにより、開発サイクルを短縮し、テスト構成設定の手間を省けるといったメリットが得られる。
また、仮想マシンでどういった入力、出力があったかという実行内容を記録し、再生することも可能だ。「CPU命令レベルで、テスト時にどういった問題があったかを検証できるという意味で、最高のデバッグツールだ」(平谷氏)
一方、ユーザビリティの面では、仮想化された異なるOS間でのドラッグ&ドロップやコピー&ペースト作業が可能になった。ほかにマルチモニタディスプレイのサポート、USB 2.0のサポートなどが追加されている。また、試験的サポートという位置付けではあるが、これまでVMwareで提供してきた完全仮想化に加え、準仮想化もサポートされた。これにより、パフォーマンスは最大で25%向上するという。
同時に、標準化された環境を仮想化パッケージとして配布し、ポリシーに基づいたクライアント環境を実現する「VMware ACE 2 Enterprise Edition日本語版」もリリースした。
VMware ACEでは、管理者が定めた標準デスクトップイメージを仮想マシンとして実行するパッケージを作成、配布することで、運用管理の手間を省くことができる。管理サーバ「VMware ACE Management Server」によって、データの暗号化やポート/リソースのロックダウンなど、ポリシーに基づく集中管理が可能だ。
新バージョンでは、作成したパッケージをUSBなどのフラッシュメモリに格納できる「Pocket ACE」機能が追加された。これにより、手元にあるマシンの構成に依存せず、自宅や外出先などでもUSBメモリを接続するだけで、標準の仮想マシン環境を立ち上げ、利用することができる。
ネットワーク接続がなくとも利用できること、外部に仮想環境を持ち出し、ハードウェア環境に依存しないモビリティを実現できることが特徴という。
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