ID・パスワードの限界を突破する

携帯電話を利用した多次元認証システム、日本HPとソフトバンクBBが提供

2007/09/25

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)とソフトバンクBBは9月25日、携帯電話を活用したWeb認証プラットフォームの提供について協業すると発表した。ソフトバンクBBが開発した認証サービス「SyncLock」と日本HPのシングルサインオン製品「HP IceWall SSO」を組み合わせる。

 「SyncLock」は携帯電話を利用して本人認証を行うのが特徴だ。ユーザーはPC画面にランダムに表示される4桁の「シンクロ番号」を携帯電話から入力し、シンクロサーバに送信、シンクロサーバ上でPCと携帯電話による2経路複合認証を行うことで、本人認証を実現する。認証請求と認証対応を、同時に2回線に分けてシンクロサーバに送信するため、「重要情報が露出しないというメリットがある」(ソフトバンクBB 技術統括 認証メディア事業戦略室 室長 中島啓一氏)。

日本HP、ソフトバンクBB写真 ソフトバンクBB 技術統括 認証メディア事業戦略室 室長 中島啓一氏(一番手前)

 このシステムを使うと、PC側にパスワードを入力するためのインターフェイスを置く必要がなく、いわゆる“鍵穴”そのものが存在しないという構造になる。そのため、ハッキングやDoS攻撃の可能性が排除できると中島氏はいう。認証強度は重要度に合わせてユーザーが任意に設定できる。暗証番号とQ&A、声紋認証、指紋認証(現時点では機種限定)が選択可能。

 複数サービスで「SyncLock」による認証を行う場合、これまでは各サービスごとに認証作業を行う必要があった。今回、「HP IceWall SSO」と連携して動作させることで、一度の「SyncLock」認証で、複数のWebサービスの認証が可能になった。

 今後両社は、金融業や流通業、小売業など大規模なWebサービスを展開する企業をターゲットに同連携システムを提供していく。日本HPが「SyncLock」の販売代理店として、一括して販売活動を行う予定。

関連リンク

(@IT 谷古宇浩司)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)