DTR技術で記録密度を約1.5倍に向上

1.8インチHDDで240GBの試作機を東芝が展示

2007/10/02

 東芝は10月2日に千葉県・幕張で開幕したIT総合展「CEATEC Japan」で、記録密度が従来の約1.5倍になるディスクリート・トラック・レコーディング(DTR)技術を用いた1.8インチHDDの試作機を展示している。

 DTR技術は、プラッタ上に塗布された磁性体のトラック間に溝を形成することで記録密度を上げる技術。従来は「画用紙にクレヨンで線を引くようなイメージで、隣り合うトラックが干渉することがあった」が、DTR技術を使うと、「原稿用紙に文字を書くようなイメージで、隣り合う行が干渉せず、行間を詰めることができる」(説明員)という。

 トラック間の溝が位置制御のためのサーボ機構の補助となるため、ヘッド制御の面で従来より技術的に有利になる。このため新技術導入によるコストアップ分は相殺され、従来型のハードディスクと同等の価格になる模様だ。製品化は2009年。

 東芝は1.8インチのモデルでDTR技術を用いた試作機を作成。160GBモデルの2枚あるプラッタのうち1枚をDTRのものにすることに成功。2枚ともDTRのものにした場合、1.8インチで240GBの容量を達成できるという。今後は1.8インチと2.5インチのモデルでDTR技術の適用を進める。

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(@IT 西村賢)

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