HP Software Universe Tokyo 2007
ITガバナンス市場、日本での立ち上がり「じわり」
2007/10/04
ビジネスの要求を可視化し、ITの全プロジェクトを事業目的に整合させるにはどうすればいいか――。情報システムが企業の事業展開において重要な位置付けを占めるに従い、事業統制と情報システムの統制された運用は、ほぼ同じ重み(重要性)を持つようになった。

「ITガバナンス」という活動がある。情報システムを中央集権的に管理し、予算的、時間的投資を効率的に回収することがこの活動の目的である。企業ではさまざまなIT関連のプロジェクトが立ち上がるわけだが、それぞれのプロジェクトに投入された予算や開発から導入までの期間を調べ、その投資対効果をはじき出すと、ほとんどのプロジェクトは失敗していた。そんなエピソードはそれこそいくつも聞くことができる。
日本ヒューレット・パッカードでは、ITガバナンスを実現するためのツール群を擁し、HP Project & Portfolio Management Center(PPM)という名称でカテゴリ分けしている。同社にとって、PPMを市場に問う上での強みは、導入企業の事例を基に導入から運用までのノウハウを「ベストプラクティス」として蓄積している点だと、米ヒューレット・パッカード HP Software Jan Sondergaard氏(HP Software Project & Portfolio Management, Product Marketing)は言う。現時点で蓄積している事例はおよそ500社分。
実際、HP自身もPPMを適用している。「全売上に占めるITの支出が、ウォルマートやデルなどの企業と比較して明らかに多かった」(Sondergaard氏)。世界中の85カ所に散在していたデータセンターを統合し、米国3拠点の大型センター6施設に集約、また世界中で使用されるアプリケーションも見直し、数年でIT経費をおよそ10億ドル削減するという計画を2006年5月に発表している。
米国企業を中心に、巨大かつ複雑な情報システムの統治活動が徐々に真剣味を持って議論され始めている。ただし、日本市場での立ち上がりは「北米と比較すると若干動きが遅い」とSondergaard氏は言う。
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