コンサルティングサービスも充実

VMware専用機も投入でサーバ仮想化を攻めるデル

2007/10/10

 この1〜2年でサーバ仮想化技術の認知度は上がったものの、特に日本市場では中堅以下の企業における採用がなかなか進まない。この状況を打開すべく、年末にかけて「仮想化専用」機種の投入を含むさまざまなプログラムを開始すると、デルが発表した。

dell01.jpg デル エンタープライズ・マーケティング本部 本部長 桜田仁隆氏

 デルは10月10日、日本AMD、ヴイエムウェアとともに同社のサーバ仮想化関連製品戦略を説明。このなかでデル エンタープライズ・マーケティング本部 本部長 桜田仁隆氏は仮想化における要求項目として、高いパフォーマンスや機能を発揮するプロセッサ、大きなメモリ容量、消費電力の低減を挙げた。同社は最新クアッドコアプロセッサに搭載された仮想化対応機能の活用を進めるほか、メモリモジュールについては非常に低い価格での8GB DIMMの投入を発表済みで、最新サーバモデルには省電力機能を組み込んでいる。

 具体的な施策としてはまず、「Rapid Virtualization Indexing」(仮想サーバ間の切り換えを高速化する機能)により仮想化支援機能が強化されたAMDのクアッドコアプロセッサ(発売前のコードネームは「Barcelona」)を採用した「PowerEdge 2970」「PowerEdge 6950」(2007年中に発売予定)を、仮想化に適したサーバとして推進。顧客への提供時にVMware Infrastructure 3を事前インストールするサービスをメニュー化したことを明らかにした。価格はライセンス料、配送料別で1台当たり9万6600円。

dell02.jpg AMDのクアッドコアプロセッサを搭載したPowerEdge 2970

 PowerEdge 2970とPowerEdge 6950は汎用的なサーバ機だが、デルではさらに「VMware専用機」ともいえる新サーバモデルを年内に投入の予定だ。9月のVMworldで初めて紹介された同製品は、「VMware ESX Server 3i」というサーバ組み込み型のハイパーバイザを工場出荷時に搭載する。サーバ機内部にハイパーバイザを載せたフラッシュメモリを設置、これをブートディスクとして立ち上げるため、利用開始までの所要時間は大幅に短縮される。組み込み型サーバはWebベースの分かりやすい管理ツールと併せ、サーバ仮想化をより身近なものにし、ユーザー層を広げるとしてデルは期待している。

 この新サーバモデルではまた、最大128GBのメモリ容量、6本のI/Oスロットなど、サーバ仮想化で問題となるメモリとネットワークI/Oのスペックを現行機種の2倍に引き上げている。

 デルはさらに、同社の技術コンサルティング部門が提供している現在の仮想化ソリューションサービスを強化し、サーバ仮想化のアセスメントから設計、導入、移行、トレーニングまでを一貫したサービスとして提供していく。VMware認定技術者(VCP)は現在の3倍に増員、サービス提供体制を充実させるという。

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(@IT 三木泉)

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