携帯検索のMCNが日本法人設立
携帯の世界では「インデックス型検索で望みの結果は得られない」
2007/10/10
米Mobile Content Networks(MCN)は10月10日、日本法人のエム・シー・エヌを10月1日付で設立したことを発表した。これにともないグローバル運営本部を米国から東京に移し、日本市場への本格的な進出を図る。また、中国やインド、東南アジアといった今後急速な成長が見込まれる市場への展開もにらんでいる。
同社のビジネスの中核は、携帯検索のためのプラットフォーム事業だ。「携帯の場合、PCとは異なり2〜3クリックで望む結果にアクセスできなければならない。しかし、PCの世界で主流となっている従来のインデックス型検索では、その実現は困難だ」と、同社CEO兼代表取締役社長のマーク・ブックマン氏は述べた。
PCベースの検索エンジンの多くは、検索対象となるサイトのクローリングを行い、その結果をインデックス化して、ユーザーが入力した語句と照らし合わせて結果を返す。しかし、携帯向けコンテンツの多くは、公式サイトやコンテンツプロバイダ独自のデータベースの中に閉じられており、インデックス作成の前提となるクローリングが行えない。このため、ユーザーが満足する結果が得られないという問題点があったという。
これに対し、エム・シー・エヌの携帯検索システム「MobielSearch.net」では、インデックスを持たない独自の仕組みを構築し、携帯での検索につきまとう問題点を解消するという。具体的には、コンテンツプロバイダのデータベースとの間に独自のインターフェイスとブローカーを配置し、これを介して逐次クエリを投げ、結果を収集する仕組みだ。画面サイズが限られている携帯電話の特質を踏まえ、コンパクトに表示させる工夫も加えられているという。
同社はこれにより、2〜3クリック内で、ユーザーが望む結果が得られるようになるとしている。この結果「クリックスルーレートが高くなる。つまり、コンテンツプロバイダの広告収入アップにつながることが強みだ」(ブックマン氏)
既に、D2コミュニケーションズと共同で、FMラジオでオンエア中の曲を検索し、関連する着うたや着メロ、CDやDVDの情報を検索できるiアプリ「FM Radio Music Search」の提供を開始している。今後、コンテンツプロバイダや携帯事業者との連携を広げ、2011年には1284億円規模に上るとの予測もある携帯広告および検索連動型携帯広告市場への浸透を狙う。
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