ITガバナンスの確立も視野に

専任マネージャでセキュリティ運用の「見える化」支援、富士通

2007/10/11

 富士通は10月11日、セキュリティソリューション「SafetyRing」を強化した。新たに、専任の担当者「セキュリティマネージャ」を通じて、顧客の継続的なコンプライアンス強化およびセキュリティ対策を支援する「セキュリティ最適化サービス」を追加している。

 SafetyRingは、ITインフラやアプリケーション、マネジメントといった各面でのセキュリティ対策を支援する「セキュリティソリューション」と、バックアップやディザスタリカバリなどによる「事業継続(BC)ソリューション」から構成される、包括的なセキュリティソリューションだ。

 新たに提供されるセキュリティ最適化サービスでは、2008年度に迫った金融商品取引法(日本版SOX法)の適用などを踏まえ、IT面でのセキュリティ強化だけでなく、内部統制強化やITガバナンスの確立を目指す企業を支援する。顧客企業に専任で置かれるセキュリティマネージャが、企画や要件定義から設計・構築、運用に至るまで、ライフサイクル全体にまたがりセキュリティ対策をサポートしていく。価格は100万円からだ。

 なおセキュリティマネージャは、現在富士通およびグループ会社合わせて220名程度だが、2009年度中に500人体制に強化していく。

 特徴は、同社がこれまで蓄積してきたノウハウを反映した「テンプレート」を適宜活用していくことだ。特にニーズの高い「認証・ID管理」「証跡管理」「DBアクセス」「インターネットセキュリティ」「PCセキュリティ」および「フィジカルセキュリティ」の6分野について、作業手順やドキュメントを標準化して提供することで、効率的な対策を提供する。例えば、最も時間がかかっていた要件定義のフェーズについては、2分の1程度にまで短縮可能だという。

fujitsu01.jpg 富士通 セキュリティソリューション本部長の今井隆策氏

 ITガバナンスの実現を見据えた「見える化」もポイントとして挙げている。これまでのセキュリティ対策は、何をどこまで実施すればよいのかが明確ではなく、費用対効果の測定が困難だった。

 これに対し「セキュリティ運用を見える化し、継続的な改善が進むように今後もサービスを強化していく」と、富士通のセキュリティソリューション本部長、今井隆策氏は述べた。2008年春ごろをめどに、さまざまな脆弱性やウイルス/スパム対策の状況に加え、コンプライアンスや事業継続にまつわるさまざまなリスクをグラフィカルに示す「セキュリティダッシュボード」を提供し、「証拠というものを目に見える形で提供していきたい」(今井氏)という。

 富士通は同時に、電子メール関連のセキュリティソリューションも強化している。中小規模企業向けに、SaaS形式でアーカイブサービスを提供する「FENICSメールソリューション メール保存サービス」を提供するほか、アプライアンス製品「MailHOUND」によるアンチスパム/アーカイブソリューションを提供する。

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(@IT 高橋睦美)

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