騒音や電力消費を抑えてオフィス設置に対応

日本IBMが小型ブレードサーバ製品投入、ストレージ統合が特徴

2007/10/22

 参入が続く小型ブレードサーバ市場に、日本IBMも製品を投入する。10月22日、同社はサーバブレード用スロットを6つに抑えた100V電源対応のブレードシャーシ「IBM BladeCenter S」を、12月18日に出荷開始すると発表した。

ibm01.jpg BladeCenter Sはストレージ統合型の小型ブレードサーバ

 BladeCenter Sは「BladeCenter E」と同サイズ(7U)だが、サーバブレードを搭載できる前面スロットを14個から6個へと減らし、代わりにストレージ・モジュールを最大12個搭載できるようにし、オールインワン・サーバを目指した。日本市場においてオフィスに設置するための100V電源対応は、サーバベンダが無視できない重要ニーズだが、米国などでも分散拠点での運用のために100V対応を望む顧客は多く、Sシリーズでの対応につながったという。

 静粛性向上のため、冷却ファンを新規開発。システム全体の動作音はフル構成でも63dbで、通常会話レベルだという(今後発売予定のキャビネット「オフィス・レディー・キット」に収納すれば60dbに減少)。消費電力も日本ヒューレット・パッカードやNECの競合製品と比較してはるかに低いとする。

ibm02.jpg BladeCenter Sと日本HP、NECの競合製品の電力消費比較(クリックで拡大します)

 BladeCenter Sの最大の特徴は「ディスクの拡張性は必要だが、SANには手が出ない」というユーザー企業の声に応え、ストレージ周りを強化したことにある。まず12個のストレージ・モジュール用スロットにより、ストレージのシャーシ内拡張を容易にした。SASディスクドライブのみの構成では3.6TB、SATAディスクドライブのみによる構成では9TBまで搭載できる。

 さらにSASディスクドライブを用いてファイバーチャネルSANのような機能を実現、これを簡単に管理できるようにした。RAIDコントローラを搭載した「SAS拡張カード」と「SASコネクティビティ・モジュール」(SAS用のスイッチに相当する。推奨小売価格は19万円)を経由してストレージ・モジュールに接続する構成で、個々のサーバブレードにディスクドライブ単位でストレージを割り当てることのできるSASゾーニング設定が可能。典型的な設定例を事前定義のテンプレートとしても提供、サーバ管理者自らが簡単に運用できるようにした。RAIDレベルは現在RAID 0、1、1Eに対応。そのほかのRAIDレベルをサポートする製品も開発中。

 BladeCenterシリーズではサーバブレードやスイッチモジュールがすべてのシャーシに共通で、同じOSをサポートしている点も大きな特徴という。

 日本IBMではBlaceCenter Sの発売に伴い、パートナー施策を強化、中堅・中小企業を対象としたビジネスを展開している既存パートナーへの積極的な展開や、リセラー向け教育拡充も進めているという。

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(@IT 三木泉)

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