三木谷氏「安心ブランドを促進」

未着商品の代金を100%補償、楽天が全会員向けに開始

2007/10/29

 楽天は10月29日、支払い済みの商品が未着で、出店店舗との連絡も取れなくなかった場合などにユーザーに対して商品代金を100%補償する楽天会員向けの「楽天あんしんショッピングサービス」を開始したと発表した。楽天の代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「楽天の安心ブランドを促進したい」と話した。

rakuten01.jpg 楽天の代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

 楽天市場では今年6月、出店していた「秋葉原OG商会」で代金を支払ったにもかかわらず商品が届かず、連絡も取れなくなった。楽天は支払いしたユーザーに対して弁済した。三木谷氏によると「これまで代位弁済したのは10年で5件以下」といい、全体としては多くない。しかし、ネットショッピングにしり込みするユーザーの多くが「なんとなくの不安感」(三木谷氏)を持っているのも事実。補償制度を充実させることでユーザーに安心感を与え、ほかのショッピングポータルとの差別化を図る。

 楽天あんしんショッピングサービスは50万円までの条件で、商品代金の100%を補償する。補償が利用できるのは年1回。楽天は傘下の楽天KCが発行する「楽天カード」で商品代金の全額を補償するサービスを提供してきたが、楽天あんしんショッピングサービスは楽天会員全員を対象にする。三木谷氏は「ショッピングの99%以上は50万円以下の購入だと思う」と述べ、ユーザーの購入のほとんどを新しい制度で補償できるとの見方を示した。

 楽天あんしんショッピングサービスの開始に合わせて出店店舗の管理も強める。現金前払いのほかに代引きなどの複数の決済方法を用意するよう店舗を指導する。併せて店舗に対する楽天のモニタリングも強化するという。

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(@IT 垣内郁栄)

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