2つアーキテクチャで市場をカバー
消費電力が従来製品の半分、NECエレのフラッシュ・マイコン
2007/10/30
NECエレクトロニクスは10月30日、従来製品より消費電力を半分に抑えたフラッシュメモリ内蔵型32ビットマイコン8種を発売した。オールフラッシュ・マイコン 低消費電力版の第一弾。30日からサンプル出荷する。
今回発売する製品は、同社の32ビット・オール・フラッシュ・マイコン「V850ES/JG3」をベースに、消費電力を大幅に低減することに注力して開発した製品。1MIPSあたりの消費電力として、従来の1.7ミリワットから約半分の0.9ミリワットを実現した。一般的な16ビットマイコンと比較した場合でも、1MIPSあたりの消費電力は半分以下となる。製品名「V850ES/Jx3-L」(xには、GやFなどの品種区別のためのアルファベットが入る)に付いている「L」が表現するのは、「Low power」「Low voltage」「Light and easy」といった低消費電力を強調するコンセプトだ。
低消費電力を実現するために不要な回路を削減し、トランジスタサイズの最適化を図った。また、CPUからフラッシュメモリにアクセスする場合のONとOFFの制御を細かく行う設計を採用、さらに、アクセスに関係ないRAM領域の不活性化を可能にした。
ユーザーは、16ビットマイコンよりも複雑な制御を少ない電力で実現できる。また、バッテリ消費の抑制が可能なため、装置の長時間使用やバッテリの小型化も可能だ。
NECエレクトロニクスは、マイクロコントローラ(MCU)の領域でオール・フラッシュ・マイコン化を展開している。組み込みマイコンとして、低消費電力から高性能モデルまで、2つのアーキテクチャでカバーしているのが特徴。アーキテクチャが限られているため、ユーザーが商品開発を行う際のシリーズ展開が容易となる。
売り上げの構成比率では、国内が41%(2006年度の売り上げベース)に留まり、比較的海外市場の比率が高い。このうち、自動車向けおよび、産業機械向けの製品がヨーロッパ市場で好調。
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