独自の技術を汎用サーバへ広げる
イージェネラ、I/O仮想化を他社にOEM提供へ
2007/10/31
イージェネラは10月31日、同社の中核的な知的資産であるI/O仮想化ソフトウェア「PAN Manager」をほかのサーバベンダにOEM供給するという計画について、日本で説明した。
イージェネラは、独自のI/O仮想化メカニズムを組み込んだブレードサーバ・ハードウェアを開発・販売してきた。主力製品の「BladeFrame」は、x86 CPUをベースとしたブレードサーバ・システムで、ストレージやネットワークのI/Oはバックプレーン(シャーシ)側にまとめて直結する形で搭載している。
PAN ManagerはこれらのI/Oを管理し、各サーバブレードへ論理的に割り当てる機能を持つ(仮想サーバにも対応)。物理的接続ではなく論理的にI/Oを管理することで、まず構成変更や拡張に柔軟に対応でき、運用コストも低下する。また、あるブレードに障害が発生した場合、このブレードが利用していたストレージとネットワークに別のブレードを割り当て直すことで、即座に処理を再開できるという可用性向上のメリットが大きい。
イージェネラはこうした拡張性や可用性を前面に押し出し、これまで米国や日本の金融機関における基幹システムなどの大型案件を獲得してきた。
今回発表したのは、サーバベンダ各社がPAN Managerを自社のサーバハードウェアに組み込むためのソフトウェアライセンスを提供開始する計画。今後2〜3カ月のうちに、具体的なOEM供給先ベンダの名前を明らかにするという。
米イージェネラの創業者兼チーフ・ストラテジー・オフィサー ヴァーン・ブラウネル(Vern Brownell)氏は、ソフトウェアのみの提供を始める理由について「(既存製品の)ビジネスの成長が鈍化しているからではない」と説明した。
ブラウネル氏によると、イージェネラはx86サーバの世界におけるミッションクリティカル市場を獲得している一方、汎用的なサーバ市場では大きなビジネスチャンスが残されている。しかし、規模の小さな同社には、この市場に対応するのに十分なリソースがない。そこで主要サーバベンダのパワーを利用し、同社の技術を広めていきたいのだという。
ソフトウェアのみのライセンス提供が「従来のビジネスに対するあつれきや侵食」を生む可能性は認めるブラウネル氏。しかし、バックプレーンをはじめとしたハードウェアの高速性や信頼性、長期にわたる同一製品の利用を可能にする製品政策などにより、これまでのビジネスも十分伸ばしていけると強調した。
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