Itanium推進団体がWindows Server 2008とRHEL 5.1をプッシュ
「IBMはオープン化に対応しない地球最後のメインフレームベンダ」、スカウゲン氏
2007/11/01
Itaniumプロセッサを推進する業界団体、Itanium Solutions Alliance(ISA)が発足2周年を迎え、国内で記者会見を行った。ISAは今後、Windows Server 2008(Longhorn)とRed Hat Enterprise Linux 5.1に注力し、ミッションクリティカル領域でのItaniumベースシステム普及をプロモートしていくという。
ISA議長を務める米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長兼サーバー・プラットフォーム事業部長のカーク・スカウゲン(Kirk Skaugen)氏は、世界におけるシステム売上金額でいえば、ItaniumのライバルであるPOWER、SPARCが減少あるいはフラット傾向であるのに対し、Itaniumだけが伸びていると報告。2007年第2四半期におけるItaniumベースシステムの売り上げは、POWERシステムの57.0%、SPARCシステムの58.6%に達したというIDCの調査結果を紹介した。
ISAは今後、2008年前半に登場予定の「Windows Server 2008 for Itanium-based Systems」につき、すでに行っている検証支援活動に加え、マイクロソフトと協力して共同プロモーションを実施。特にERPやBIなどのミッションクリティカルシステムの移行を円滑化する取り組みを進める。また、Linuxでは10月31日にリリースのRed Hat Enterprise Linux 5.1に注目。新バージョンでは、Itaniumが可能にする大容量キャッシュの活用で堅牢な仮想化機能が構築できることから、これを使ったサーバ統合や運用管理に関する技術検証や情報提供を行っていくという。
企業におけるSPARCやPOWERベースの自社開発アプリケーション資産の移行は、「開発者が死んでしまったり、転職してしまったりで難しい部分もある」(スカウゲン氏)。しかし例えば、10月31日に同氏が新Itaniumプロセッサの発表の際に紹介した米トランジティブの「QuickTransit for Solaris/SPARC to Linux/Itanium」を使えば、SPARCベースのアプリケーションを書き換えることなく、Itaniumベースシステム上でより高速に動かすことができると話した。IBM z/OSについてはPlatform Solutionsが同様なソフトウェアを提供しており、これらを使えば移行は可能だと強調した。
スカウゲン氏は「IBMはオープンアーキテクチャを採用していない地球上で最後のメインフレームベンダ」といい、メインフレーム資産の移行に力を入れていくと宣言した。
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