“ダイナミックビジネスアプリケーション”でビジネスをより俊敏に
BEA、新しいアプリケーション構築へのアプローチ法“Genesis”
2007/11/02
BEAシステムズは11月2日、報道関係者向けの会見を開催し、米BEAシステムズ エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 CTO ロブ・レビー(Robert I.Levy)氏が同社の新しいプロジェクト「Genesis」について説明した。

レビー氏はCIOの懸念事項として、コスト削減や競合他社の動向、新しいイノベーションなど数多く挙げた。そして、“Y世代”と呼ばれるインターネットに慣れ親しんだ世代が台頭した点が大きいとした。Y世代はインターネットを自宅で利用してコラボレーションすることが当たり前の年代で、インターネットを駆使することで起業時の規模が少なく済むうえ起業スピードも早い。Yahoo!やGoogle、eBayなどわずか数人の起業家が自宅ガレージで始まったケースを取り上げ、革命を起こしていると説明。このような新しい時代では、イノベーションが必要だと説いた。
また、同社のビジネスの中心であるSOAに関しても変化が出てきているという。レビー氏によると、「2年前まではBPMはSOAの一部だった。しかし、いまではBPMは独立し、アジャイルエンタープライズを推進するドライバーになっている」とした。それに伴って、SOAの形態も変化。第1次ではWebサービスをシェアしている段階で、データなどが再利用できるようになったレベル。第2次ではBPMから出てくるビジネスプロセスに対応する必要が出てきたため可視化や管理面を改善し、より俊敏になった段階だ。そして、その次がビジネスユーザー自身がさまざまな変更を加えることができる「ダイナミックビジネスアプリケーション」のレベルだという。
ダイナミックビジネスアプリケーションとは、ユーザーがデザインなどをインタラクティブかつダイナミックに変更できるアプリケーション。役職などに応じてUIを変化させることも可能だという。レビー氏は「従来のアプリケーションでは、バージョンアップなどが行われない限り、中身が変わることはなかった。個人ごとにビューを変えることも難しく、コラボレーションもできていなかった」と指摘する。
レビー氏は、ダイナミックビジネスアプリケーションを実際に利用しているケースとしてブリティッシュ航空のケースを紹介した。同社は、ヒースロー空港に新しく同社専用のターミナルとしてできる5番ターミナルの建築に合わせてシステムを更新。同社によると、乗客が空港を利用する際に一番のボトルネックになるのは、乗客がターミナルについてチケットを発券して荷物を預け、飛行機に乗るまでの時間だと認識。ユーザー自身がチケットを購入してチェックインし、乗り込むまでの作業を自宅のPCや空港の専用端末などで行えるようにした。これにより、大幅に時間の短縮に成功したという。レビー氏は「これこそ、ユーザー自身が柔軟に変更できるダイナミックビジネスアプリケーションだ」とコメントした。
最後にレビー氏は、「Genesisは製品ではなく“開発アプローチ”だ。Genesisによってダイナミックビジネスアプリケーションを構築すれば、その後はユーザー自身がカスタマイズできるようになる。かつて、システム部に依頼しなければならなかった作業を自分で行えるようになるのだ」と説明した。
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