Oracle OpenWorld開幕
米オラクル、Xenベースの仮想化技術「Oracle VM」発表
2007/11/13
米オラクルは11月12日(米国時間)、開催中のイベント「Oracle OpenWorld」で「Oracle Database」やオラクル製アプリケーションを標準でサポートするサーバ仮想化技術「Oracle VM」を発表した。Xenハイパーバイザーをベースにした製品で、オラクルは「従来の仮想化環境と比べて3倍の効率性を実現した」としている。
Oracle VMはオラクルのLinux OSである「Oracle Enterprise Linux」と同時にインストール可能。ゲストOSはOracle Enterprise LinuxのほかにRed Hat Enterprise LinuxとWindows Server 2003、XPなどをサポートする。オラクルはOracle DatabaseのほかOracle E-Business SuiteやPeopleSoftなどのオラクル製アプリケーションがOracle VM上で稼働することを検証済み。
Oracle VMを提供開始するオラクルの狙いは仮想化環境を含めたフルスタックのサポート提供。データベースとミドルウェア、アプリケーションの一元管理を「Oracle Enterprise Manager」ですでに実現しているオラクルは、2006年にOracle Enterprise Linux(Oracle Unbreakable Linux)を発表し、OSを含めたフルスタックのサポートを提供できるようにした。しかし、2007年に入りエンタープライズ環境での仮想化環境の利用が急速に普及。仮想化環境を含めた一元管理とサポートが必要と考えた。2008年中にはOracle Enterprise ManagerでOracle VMを管理できるようにする計画だ。
同日、基調講演したオラクル 社長のチャールズ・フィリップス(Charles Phillips)氏は「業界の最大の課題は複雑化されたシステム」と指摘し、Oracle VMの提供で「オラクルがシステムを統一していく」と強調した。仮想化環境では特にLinuxでの利用を想定し、「Linuxと統合して仮想化の管理が可能だ」と話した。基調講演では、Oracle VMの管理機能である「Oracle VM Manager」のデモンストレーションも実施。Oracle VM Managerは仮想化したリソースを管理するWebベースのツール。デモではサーバ上のアプリケーションを停止せずに、仮想化環境に割り当てるサーバリソースをリアルタイムに変更する機能や、仮想化環境自体を別の物理サーバに移行する機能を紹介した。
オラクルはアプリケーションでも統合の方向を強く打ち出している。同社サーバ技術担当のエグゼクティブ・バイスプレジデント チャック・ロズワット(Charles Rozwat)氏はアプリケーション統合のアーキテクチャである「Oracle Application Integration Architecture」(AIA)を紹介し、ビジネスプロセスの柔軟な統合によって「システムの完成度を高める必要がある」と訴えた。
Oracle VMはバイナリのみの利用は無償。有償サポートは1年と3年があり、それぞれOracle Enterprise Linuxのサポートである「Unbreakable Linux Network」を通じて提供する。
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