「Oracle Fusion Middleware 11g」プレビュー
「Flickrのように文書管理」、オラクルがWeb活用ツール
2007/11/14
米オラクルは11月13日(米国時間)、ミドルウェア統合製品の新版「Oracle Fusion Middleware 11g」のベータを開催中のイベント「Oracle OpenWorld」で紹介した。注目はWeb 2.0に代表されるWeb技術への対応。同社のOracle Fusion Middleware担当シニア・バイスプレジデントのトーマス・クリアン(Thomas Kurian)氏は「Wikiやブログ、SNSなどのWeb 2.0技術とエンタープライズ・アプリケーションを一緒に使えるようになる」と話した。
Fusion Middleware 11gは複数スイートの集合体。アプリケーション開発ツールとフレームワークの「JDeveloper and the Application Development Framework」やJ2EEアプリケーションサーバの「Application Server」、アイデンティティ管理の「Identity Management Suite」、企業パフォーマンス管理の「Business Intelligence Suite and Enterprise Performance Management System」などで構成。オラクルの買収戦略が続いていて、製品の範囲が拡大している。
クリアン氏が力を入れて説明したのがEnterprise 2.0を実現するとの触れ込みの「WebCenter Suite」。「ビジネスユーザーが簡単にドキュメントを作成し、編集し、Webにレイアウトし、パブリッシュし、レポジトリに入れて、タグで管理できる」(クリアン氏)環境で、Wikiやブログ、Web編集ツールなどを企業内で利用できるようにし、社員のコラボレーションを活性化させる。
クリアン氏はタグによって情報管理が容易になるとして「オンラインで写真をFlickrにアップして、別のユーザーが検索して探すのと同じように、ドキュメントを扱える」とWebCenterを説明した。WebCenterはアプリケーションやサービスのマッシュアップツールとしても機能する。
企業パフォーマンス管理(EPM)もオラクルが注力する分野。SAPはビジネスオブジェクツ、IBMがコグノスを買収するなど大手ベンダはEPMソリューションに力を入れている。オラクルもEPMの有力ベンダだったハイペリオンを買収し、製品を強化した。Fusion Middleware 11gは予算管理、業績管理機能を組み込み、ミドルウェアの枠を超える、よりハイレベルな利用を企業に提案する。
(11月13日16時30分追記)クリアン氏はFusion Middleware 11gについて12月中旬に開発者向けにプレビュー版を提供開始し、2008年中に製品を出荷開始すると語った。これまで170社がベータテストに参加しているという。
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