Oracle Fusion Applications第一弾

Amazon.com型の営業を実現――オラクルCEOが「第2世代SFA」表明

2007/11/15

 米オラクルのCEO ラリー・エリソン(Lawrence J. Ellison)氏は11月14日(米国時間)、開発中の次世代業務アプリケーション「Oracle Fusion Applications」について、SFA(営業支援)アプリケーションをまず最初に投入すると発表した。2008年上期中に出荷開始予定。エリソン氏はこのSFA製品について「Amazon.comのようなリコメンドの機能がある」として「第2世代のSFAだ」と強調した。

oraclesfa01.jpg 米オラクルのCEO ラリー・エリソン氏

 SFA製品の主要機能はデータマイニング。既存のERPやCRMから顧客データを取得し、どの顧客がどのような製品を購入しているかを分析。営業担当者に対して、次にどのような製品をその顧客に提案すればよいかや、似た傾向の顧客には何を勧めるべきかなどを示す。従来のSFAがプロセスの自動化であるのに対して、「第2世代のSFAは営業を科学し、販売をより増やすことができる」(エリソン氏)という。

 提供するモジュールはデータマイニング機能を持つ「Sales Prospector」とリコメンド機能を提供する「Sales References」、社内外のソーシャルネットワークを分析してマーケティングなどの効果を測定する「Sales Tools」で構成。それぞれSaaSでの提供にも対応する。標準技術を採用していて、既存のITシステムとの統合が容易という。オラクルは既存のERP、CRMと統合するための事前設定パッケージも提供する。

oraclesfa02.jpg エリソン氏登場前には同日のオラクル主催パーティで演奏する予定の歌手ビリー・ジョエル氏が登壇。オラクルの30周年を祝福した

 エリソン氏は2006年のOracle OpenWorldで発表した「Oracle Unbreakable Linux」の成果も発表した。オラクルによるとOracle Unbreakable Linuxは世界で1500社以上の有償サポート契約企業を獲得。パートナーも増加し、「1年でずいぶん成長した」と評価した。

 12日に発表したXenハイパーバイザーベースの仮想化技術「Oracle VM」もこのOracle Unbreakable Linuxを強化するのが目的。Oracle VMは、Oracle Unbreakable Linuxで提供するRed Hat Enterprise Linuxの互換OS「Oracle Enteprise Linux」と同梱して提供される。エリソン氏は「スタック全体の管理性能がよくないといけない」と話し、将来的に1つのコンソールで仮想化レイヤからOS、ミドルウェア、データベース、アプリケーションの全レイヤを管理できるようにする考えを示した。オラクルは2008年中にも管理ツールの「Oracle Enterprise Manager」をOracle VMに対応させる予定。

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(@IT 垣内郁栄)

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