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アルミとガラス多用したシンプルデザイン

デル、オールインワンPCを全世界投入へ

2007/11/19

　デルは11月19日、同社初のオールイン型PC「XPS One」を発表した。日本では11月20日発売。米国と日本で先行発売し、ワールドワイドで販売していく。

　キーボードとマウスをBluetooth接続タイプとし、接続するケーブル類を電源ケーブルのみとしたシンプルなデザインが特徴。「過去18カ月でデザイン関連の投資を3倍にし、ケータイ、家電などの分野から13カ国で新しくデザイナを採用した」（米デル コンシューマ・プロダクト・グループ上級副社長 アレックス・グルーゼン氏）。

　左右に各5ワットのスピーカーを備える1680×1050ドット20インチワイド光沢液晶を採用。200万画素のWebカメラを内蔵したほか内蔵デュアル・アレイ・マイク×2を搭載した。IEEE 802.11a/b/g/nの無線LANとギガビットイーサネットポートを備える。Celeron 440（2.0GHz）、メモリ1GB、ハードディスク320GBを搭載のベーシック構成で14万9800円（税込み）、Core 2 Duo E4500（2.20GHz）、メモリ2GB、ハードディスク500GB搭載の推奨構成で17万9800円（税込み）。

　デルはゲーマーやハイスペックを求めるユーザー向けのハイエンドPCとして2005年から「XPS」シリーズを展開。2007年6月にはXPSシリーズと低価格モデルのInspironシリーズでカラーバリエーションモデルを投入するなど個人向け製品へのフォーカスを強めている。組織面でも2007年2月に米モトローラの取締役副社長だったロン・ゲリックス（Ron Garriques）氏を迎え、グローバルなコンシューマ事業組織を新たに立ち上げている。内外で小売店との業務提携を進め、デル・ブランドの代名詞でもあった直販モデルだけでなく、店頭販売も展開している。

　国内ではデスクトップPC市場のうち約6割をオールインワン型が占める。国産メーカー以外では日本HPが9月に「HP TouchSmart PC」を発表しているが、ワールドワイドでは国内市場ほどオールインワン製品は多くない。日本市場ではノートPCの出荷数がデスクトップPCの出荷数を越える現象が世界に先駆けて起こったが、今後はオールインワン型の需要も同様に伸びていく、というのがデルの読みだ。「日本の消費者はトレンド・セッター。日本市場のユーザーの声を反映させ、日本市場にフォーカスした製品を出していく」（米デル バイスプレジデント兼日本／アジア太平洋地域 コンシューマセールス＆マーケティング統括責任者 ウォルト・メイヨ氏）ことが、デルのワールドワイドの戦略上も重要だという。

　ただ、日本市場へのコミットメントや「スペックよりもユーザー体験」を強調する同社だが、その一方でXPS Oneは地デジチューナーや次世代DVD非対応など国産メーカーとのアプローチの違いも目に付く。前出グルーゼン氏は12月末までに地デジチューナーや次世代DVDを搭載したモデルもリリースするとしているが、これらの機能が新ブランド立ち上げに間に合わなかった理由は説明していない。今後、同社が日本市場固有のニーズと、グローバル戦略との折り合いを付けていくのか、また同社にとって試金石となる日本市場において国産メーカーのシェアを奪っていけるのか、注目される。