ASPは8年前の勢いを取り戻した
SaaSとASPはもう区別がつかない状態、団体名も変更へ〜ASPIC
2007/11/22
特定非営利活動法人ASPインダストリ・コンソーシアム・ジャパン(ASPIC)は11月22日、報道関係者向けに説明会を実施。ASPの現状やASPICの活動状況を説明した。
ASPICは1999年に設立された団体で、ASPの普及・啓蒙活動などを行っている。主な事業内容は、ASP白書の発行やASPの調査報告などを行う「情報提供・公開・共有」、中小企業向けのセミナーや企業間の顔合わせミーティングなどを実施する「ビジネス支援」、地方自治体へのコンサルティングなどを行う「コンサルティング受託」、ASP・SaaS普及促進協議会などに対する「政策・制度立案支援」の4つが柱となっている。ASPIC会長の河合輝欣氏は、「ASP・SaaSは、設立当初の1999年ころの勢いを取り戻してきている。政府の政策にもASPやSaaSといった言葉が頻繁に出てくるようになってきた。今後ますます期待できる分野だ」と強調した。
河合氏は、SaaSやASPの定義について「特定および不特定ユーザーが必要とするシステム機能を、ネットワークを通じて提供するサービス、あるいはそうしたサービスを提供するビジネスモデルのこと」と定義。ASPとSaaSの違いについては、「SaaSにはカスタマイズ性やAPI公開など、細かい部分で違う点があるといわれているが、すでに混在化しており正確に区別できない状態だ。ほとんど同一の意味と捉えてもよいだろう。今後、ASPICも名称変更なども検討している」と説明した。
ASPICによると、今後ASP関連市場の規模は年率30%程度の成長を続け、2010年に1.5兆円強に拡大。ASP事業者は600社から1000社に増加、ASP事業者の7割以上がASPを事業の中心にするという。ASPICでは、ASPの普及促進のために、優秀なASPを表彰するASPアウトソーシングアワードを開催したり、ASP事業者を集めて事業者同士が情報交換する場を設けたりしているとした。
政府の取り組みでは、2007年4月に総務省が「ASP・SaaS普及促進協議会」を設立したほか、同6月には「ASP・SaaSの情報セキュリティ対策に関する研究会」を開催するなど、関心が高まっているとした。
河合氏は、「ASP・SaaSは、ブロードバンドの普及とAjaxを代表とするWeb技術の発展によって、再び注目を集めている。しかし、ASP・SaaSのセキュリティに不安を持つユーザーが多いことも事実だ。今後は、ASP・SaaSのセキュリティ研究の強化、ASP・SaaS事業者の認定制度の導入などを実施し、ユーザーの不安払拭に務めていきたい」と抱負を語った。
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