システムインテグレータなど32社が参加
「Solaris on x86の存在感をアピールしたい」、サンが業界コミュニティを発足
2007/11/27
サン・マイクロシステムズは11月27日、x86/x64プラットフォーム上で動作する「Solaris on x86」の認知度向上と利用拡大を目指すコミュニティ「Solaris Community for Business」を発足させた。システムインテグレータやISV/IHVなど32社が参加している。
同社代表取締役社長の末次朝彦氏は、Solaris on x86は、SolarisコンテナやZFS、Solaris Trusted Extensionsといった機能により、TCO削減や堅牢性の強化、強固なセキュリティといった企業が抱える課題を解決できる切り口を持っていると述べた。だが、このように高い付加価値を実現できるOSであるにもかかわらず、現時点では「いかんせん知られていない」という。
こうした状況に対し、技術情報やノウハウ、成功事例を共有、提供することで、x86/x64サーバ市場におけるシェアを拡大していくことがSolaris Community for Business設立の狙いだ。「2010年末までに、x86サーバの市場で10%のシェアを取りたい。また、年間に60〜100くらいの事例を紹介できる体制を作っていきたい」(末次氏)
「SolarisといえばSPARC上のOSという漠然としたイメージがある。しかし、Solaris 10の登録ライセンス数で見ると、全世界で1100万近いライセンスのうち、半数以上がx86/x64となっている」(末次氏)。
ハードウェア互換性リスト(HCL)を見ても、登録されている全944システムのうち862システムがx86/x64プラットフォームだ。また、Solaris on x86の対応アプリケーション数は、全世界で5179種類に上るという。ただし、日本独自のアプリケーションはそのうち278種類だ。
Solaris Community for Businessでは、ポータルサイトの開設や定期的なセミナー開催をはじめとするプロモーション活動を展開するほか、Solaris on x86に関するシステム構築ノウハウ、ソリューション情報、成功事例などの共有を進める。こうした活動を通して、ISVにはSolaris on x86版のリリースを、IHVにはデバイスドライバなどの提供を推進してもらう。さらに、システムインテグレータにとっては「顧客に安心して提案できるOSとして評価できるようにしていきたい」と末次氏は述べている。
ただし、Solaris Community for Businessの設立が、SPARC版への投資を減らすという意味合いではないという。「IntelやAMD(のCPU)に移行してしまうということではない。x86とSPARCといういろんな選択肢を提供できることが重要であり、使える環境を広げるということに注力していく」(末次氏)
なおSolaris Community for Businessには、Oracle 10g RACとの組み合わせで高負荷時のスループット検証を行った伊藤忠テクノソリューションズ、データ連携ソフトウェア「HULFT」のx86 Solaris対応を行ったセゾン情報システムズなどが参加している。
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