“第二世代”CDNの登場

リッチコンテンツに特化したデジタルメディア配信ネットワークを提供、ライムライト

2007/11/28

 米ライムライト・ネットワークスの会長兼CEO ジェフ・ランスフォード(Jeff Lunsford)氏が来日し、都内で記者会見を開いた。同社の日本法人は7月にできたばかり。リッチコンテンツにターゲットを絞ったコンテンツ配信インフラの提供によって、現在急成長している。2007年度の売上高は1億500万ドル(2006年度は650万ドル)。

米ライムライト・ネットワークス写真 米ライムライト・ネットワークスの会長兼CEO ジェフ・ランスフォード氏

 数千以上の異なるネットワークの相互接続で構成されているインターネットの構造上、人気のあるWebサイト(のサーバ)にトラフィックが集中した場合、サービスの遅延が起こるのは避けられないことだった。米アカマイに代表されるベンチャー企業が、コンテンツを1つの物理的な場所から配信するというシステムを見直し、世界中にサーバを配置しながら集中する負荷を分散する分散コンピューティングのモデルを考案、このインフラを顧客企業に提供することで、インターネット・アーキテクチャに内包するパフォーマンスの課題にひとつの解決策を提示した。

 ライムライトの事業も、このような事業の系譜に連なるものだが、同社の場合、動画や音楽、ゲームといった大容量コンテンツの配信インフラ提供に事業を集中することで、競合企業と見なされるアカマイなどとの差別化を図っている。同社は先行する競合企業を「尊敬すべき第一世代」と称する。

 違いは上述したように、「第一世代」が主にWebページ(HTML)を主要なターゲットメディアとするのに対し、ライムライトはリッチコンテンツを対象とする。ターゲットメディアが違うことで、データセンターの運用方法も異なる。「第一世代」は、多様な場所に、少数のサーバを配置して運用するのが基本だが、ライムライトは「集約された場所」にデータセンターを配置し、大量のサーバを稼働させる(2007年現在、20地域、70強のPOPで5000台強のサーバ)。ワールドワイド容量全体で1.4Tbps以上の独自運用のファイバーバックボーンを擁し、各配信拠点から数十〜数百のネットワーク接続を提供する。バックボーンのトータル・キャパシティについては2008年1月までに2Tbpsを確保する見込み。

(@IT 谷古宇浩司)

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