成熟には成功例が必要
「Web 2.0のピークは昨年」、ガートナーがハイプサイクルで指摘
2007/11/29
「ハイプサイクルではWeb 2.0のピークは昨年だった。今後は4〜5年は幻滅期を経て成熟していくだろう」。米ガートナーのバイス プレジデント兼ガートナーフェローで、技術の成熟度を示す「ガートナー・ハイプサイクル・モデル」の創始者でもあるジャッキー・フェン(Jackie Fenn)氏はこう述べる。Webでなくリアルビジネスを行っている一般企業がWeb 2.0の恩恵を受けるには「明確な成功例が出てくる必要がある」という。
フェン氏が挙げる最近のITトレンドはWeb 2.0とコンシューマライゼーション。両者ともコラボレーションやソーシャル、ボトムアップのIT提案などがそのキーワードに挙げられるだろう。フェン氏はこの2つが2010年までのWebビジネスに大きな影響を与え、Webでビジネスを展開しようとする企業にとって無視できなくなると予測した。「この影響はますます大きくなる。特に携帯電話やゲームに親しむ若いエンジニアが及ぼす影響が大きくなるだろう」
Web企業はWeb 2.0の方向に突っ走っている。最近注目されるのは「Webプラットフォーム」の考え方。。Salesforce.comやAmazon.comなど信頼を得ているベンダのITプラットフォームを利用し、新しいWebビジネスを展開できるようになる(参考記事)。
Webビジネスを展開する企業にとってはハードウェアやセキュリティのコストを負担することなく、自らが開発したサービスを高品質な環境で実行できる。Webプラットフォームについてフェン氏は「とてもパワフルだ。企業にとってはWebプラットフォームを使うことで、自らの可能性を引き上げることができる」と話した。
ただ、一般企業がWebのパワーを生かすにはまだ経験が必要とフェン氏はいう。「Webコミュニティを活用することで、社内の専門家だけでなく、Wikiやブログを使って社外の知識を取り入れられる」(同氏)などの例があるものの、多くの企業では「まだお金のもうけ方が分かっていない」という段階だ。現在のWebに対する過剰な期待が幻滅に変わる時期を経て、今後4〜5年でWebの利用が成熟するとフェン氏は見ている。「人々が本当にWebを理解するには幻滅を経験しないといけない」
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