第2回MIJSカンファレンスレポート
MIJS、標準化をほぼ完了してアプリ連携をデモ
2007/11/29
MIJS(メード・イン・ジャパン・ソフトウェア)が発足1年3カ月で第1弾の標準化をほぼ完了。11月29日に行われた第2回MIJSカンファレンスでは、デモンストレーションが行われた。
MIJSは、業務パッケージソフトウェア間でデータの標準化を行い相互連携の枠組みを作成する業界団体。来月には「MIJS標準規格ver1.0」としてダウンロード可能な形で標準規格を公表する。MIJS副理事長でシステムインテグレータ 代表取締役社長の梅田弘之氏は「標準規格といえば偉い学者さんが決めるようなものもあり、絵に描いた餅になりやすい。MIJSは売れている製品を持つベンダが集まって実際に連携できるのが強み」と語る。
中小企業を中心に広く支持されている業務パッケージは販売管理、会計、人事管理、グループウェアなど、提供するベンダごとに内部データの仕様が異なる。現在は「社員名のエントリを何桁にするかなど、それぞれエンジニアごとに考えて作っている状態」(アプレッソ 代表取締役 小野和俊氏)で、姓と名を別レコードに分けたり、姓と名の間にスペースがあるなどスキーマが異なる。
MIJSではマスタデータやトランザクションデータの連携を行う仕様を定義する。既存パッケージは、この標準に対応するアダプタを用意すれば、ほかのアプリケーションと相互連携が可能になる。また、新規のアプリケーションであれば最初から標準仕様に従うことで簡単なスクリプトを作るだけでほかのアプリケーションとのデータ連携が容易にできる。
デモンストレーションでは、インフォベックのERPパッケージ「GRANDIT」とソフトブレーンのSFAパッケージ「eセールスマネージャー」との連携を紹介。GUIベースのスクリプト作成ツールでアプリケーションとアダプタを接続するだけで、GRANDITで新規に登録した社員データがeセールスマネージャー側にもすぐに反映された。「設定やプログラミングなしで、ここまで簡単にできるのは標準があるからできること」(小野氏)。データの同期は手動でも行えるが、「Webサービスになっているので、スケジューラで処理できる。実際には一定時間間隔で定期的に行うことが多いだろう」(同)という。こうしたデータ連係はアプリケーション間の1対1のマッピングだけでなく、N対Nでも行うことができる。
MIJSでは今後、多くの業務パッケージで重複した機能を共通インフラとして標準化して、それぞれのベンダが得意な分野に注力できるようにするほか、SaaSポータルサイトの立ち上げを目指すという。
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