レッドハット、テレコム向けミドルウェア製品を紹介
次世代コミュニケーションアプリもWebアプリと同じ感覚で開発
2007/12/03
レッドハットは11月30日、「JBoss Communications Platform」を中心とした、テレコム/通信市場向けの取り組みについて説明した。
JBoss Communications Platformは、米レッドハットが2007年6月に買収したMobicentsのテクノロジをベースとしたアプリケーション基盤だ。従来の電話網とIPネットワークとを統合した上で、動画や位置情報サービスなどを組み合わせた、新しいアプリケーションを提供できるようにするための製品である。
「レッドハットは、OSのベンダから、ミドルウェアやソリューションを提供するベンダに変わりつつある」と、同社のマーケティング&パートナービジネス統括本部長、纐纈昌嗣氏は述べた。ミドルウェア製品の「JBoss Enterprise Application Platform」の一機能としてJBoss Communications Platformを提供することにより、クリック・ツー・フォンやロケーション情報を活用した、高付加価値サービスを展開できるよう支援していくという。
米レッドハットのテレコミュニケーションズ担当マーケティングディレクター、トム・ワンダリック(Tom Wunderlich)氏は、JBoss Communications Platformには、通信機器ベンダが提供する機能とは異なる特徴がいくつかあると述べた。
1つは、J2EEと親和性の高い「JSLEE」(Java Service Logic Execution Environment)を採用していること。2つ目は、IPやSS7といったさまざまな通信網と接続し、違いを吸収する「リソースアダプタ」を介してネットワークを抽象化し、その抽象レイヤを通してアプリケーションと連携する構造を取っていることだ。さらに、JMXやSNMPベースの管理APIなど、他システムのAPIと連携することで、課金システムをはじめとするさまざまなバックオフィスシステムと連携することが可能という。
特に、JSLEEに準拠しているため「多くの開発者が、Webアプリケーションと同じようにして、リッチな機能を備えた統合アプリケーションを構築できる。APIを公開しているため、ロケーションや使い道といったユーザー情報を開発者が活用し、面白いアプリケーションを実現できるだろう」(ワンダリック氏)。
またMobicentsは、レッドハットによる買収前からオープンソースプロジェクトとして開発が進められてきた。このため、開発コミュニティ活動が活発なこと、低コストなこともメリットだという。
「JBoss Communications Platformで、今ある商用製品の機能の80%は実現できているが、その80%で、次世代サービスの構築に必要な機能を100%満たすことができる」(ワンダリック氏)
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