ストレージ&仮想化で消費電力削減を〜シマンテック
企業は保有ストレージの30%しか使っていない
2007/12/04
シマンテックは12月4日、報道関係者向けの説明会を開催し、米シマンテック グローバルソリューションズ担当バイスプレジデント ホセ・イグレシアス(Jose Iglesias)氏が、同社のグリーンITへの取り組みなどを説明した。

イグレシアス氏によると、米国では環境問題に関する取り組みや意識が向上してきており、昨今の原油高の影響もあり、消費電力に関する関心は急増しているという。実際、2007年にはさまざまな調査機関が、環境問題や消費電力に関する調査結果を発表。例えばガートナーの調査によると、「CIOの70%が電力供給と冷却の問題を危ぐしている」「2008年には50%のデータセンターで電力供給と冷却能力に問題を抱える」「2009年には、70%の企業で電力コストが2番目に高価な業務関連費用になる」といった結果を発表している。
イグレシアス氏によると、「米グーグルやヤフーは巨大なデータセンターを抱えているため、早くもこの問題を解決すべく、従来カリフォルニア州にあったデータセンターをワシントン州へ移転した。ワシントン州は水力発電があり、電気代が割安だからだ」といった動きも出ているという。

こういった、環境や消費電力への対応策として、データセンターでは、サーバの統合や仮想化、よりエネルギー効率の高い装置への置き換えなどで対応しており、シマンテックでもサーバやストレージの仮想化技術、デスクトップの効率化技術の3分野で、これをサポートしているという。
例えばサーバ仮想化の分野では、VMwareと共同で「Veritas Cluster Server for VMware ESX」(以下、VCS for VMware)を提供。VCS for VMwareは、ハードウェアなどに障害が発生した場合に自動でフェイルオーバーするほか、物理サーバと同じように仮想サーバを管理できる点が特徴だ。
ストレージの効率化の問題では、「企業は、未使用のストレージが多過ぎる。ストレージ領域を有効活用すれば、消費電力などを改善できるはず。調査によると、多くの企業では保有しているストレージの30%しか使っておらず、非常に使用率が低い」(イグレシアス氏)と指摘。まず、未使用のストレージ領域を発見し、その後、さらに重複イメージの排除やストレージの階層化を実施することで、ストレージの大幅な効率化を図ることが可能だとした。
デスクトップPCの効率化の面では、シマンテックが2007年4月に買収したIT管理ソフトウェア企業「Altiris」の技術を用いることで、デスクトップPCのスケジュールに基づいたシャットダウンや、電力抑制ツールキットなどを提供する。Altiris製品は、日本語化はまだだが、「最優先事項として日本語化を進めている。早々に日本語で提供できるようになるはずだ」(イグレシアス氏)とした。
また、グリーンITに関するコンサルティング業務も拡充。従来からの同社のコンサルティング部門に加え、2006年11月に買収したコンサルティング企業「Company-i」によるデータセンター計画サービスなども、すでに米国などでは提供している。
イグレシアス氏は、「こういった、グリーンITをサポートするためのサービスに加え、当社自身も環境問題へ配慮した取り組みを各種行っている。例えば、グリーンデータセンターを自ら利用したり、再生紙の利用、公共交通による通勤などだ。また、大きな取り組みとしては、紙などを利用するパッケージ版ではなく、ダウンロード版の購入を推奨しており、すでに70%が電子配信による提供となっている」とコメントした。
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