プラグ&プレイのアプライアンスで市場拡大

バラクーダ、メールアーカイブやWAFを国内投入へ

2007/12/07

 バラクーダネットワークスジャパンは、メッセージ・アーカイブ製品「Barracuda Message Archiver」とWebサーバセキュリティ/高速化製品「Barracuda Web Application Controller」を2008年第1四半期に国内投入する。

 これら2製品について説明した米バラクーダ プロダクトマネジメント担当副社長のスティーブン・パオ氏は、これらの製品でも同社の従来の製品と同様に、導入や管理のしやすさを前面に押し出していくと話した。

 バラクーダはこれまで、スパムファイアウォールのほか、Webフィルタリング製品やサーバ負荷分散装置を提供してきた。サーバ負荷分散装置を出すに至ってセキュリティ専門企業とはいえなくなったが、どの製品も中堅以下の企業をターゲットとしたアプライアンスだという点で共通している。

 今回国内で提供開始する2製品もアプライアンスだ。

 まずBarracuda Message Archiverは電子メールを保存しておき、ユーザーが誤って削除してしまった過去の電子メールを復元したり、法的要請に応えることを目的とした製品。搭載ストレージ容量は3機種のうち最上位のものでも2TBに留まるが、外部ストレージを簡単に利用できるようになっている。重複データ排除によってストレージ容量を節約できるようになっている。

 保存された電子メールはリアルタイムでインデックス化され、メタデータによる検索のほか、添付ファイルの内容を含めた全文検索が可能になる。あらかじめ設定したポリシーに違反する言葉を含む電子メールを自動的に発見し、管理者に電子メールで警告する機能もある。ユーザーライセンスを不要とし、コスト面からも導入しやすくしている。

barracuda01.jpg Barracuda Web Application Controller

 一方、Barracuda Web Application ControllerはWebアプリケーションファイアウォールと認証代行機能、キャッシュやSSL処理、負荷分散機能といった、Webサーバのセキュリティとパフォーマンス改善の機能を統合的に提供する。この製品は特にPCI DSS (Payment Card Industry Data Security Standard)を意識しているという。PCI DSSは大手クレジットカード会社がオンラインでクレジットカード番号を扱うオンラインストアなどの業者に対し、準拠を求めているセキュリティ上の基準。オンラインストアなどには小規模な企業も多いが、こうした企業が基本的には同製品を接続するだけで、即座にPCI DSS対応を図れるようにするのが目標という。

 「これまでのWebアプリケーションファイアウォールでは、設定項目を逐一理解しないと使い始められなかった。業者に設定してもらわなければならないとすると、コストがかかってしまう」(パオ氏)

 バラクーダは積極的な買収を通じ、セキュリティアプライアンスのベンダからより広範なアプライアンスのベンダに変身しようとしている。Barracuda Web Application ControllerもNetContinuumという企業を今年7月に買収した結果、生まれた製品だ。「今後も、技術が複雑すぎる、あるいは金額が高すぎるためにこれまで中小企業が手を出せなかった分野で、使いやすい安価な製品を出していく」(パオ氏)

(@IT 三木泉)

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