今後のロードマップを明らかに
AMD、2009年に8コアCPUや「CPU+GPU」チップを投入
2007/12/14
米AMDは2008年に救いを求めている。
クアッドコアのサーバ・デスクトッププロセッサの採用が思いのほか進まず、OEMパートナーへの出荷も遅れた1年を終え、同社は12月13日、2008年にはラインアップのかなりの部分を刷新するとウォール街のアナリストを前に約束した。
「がっかりしているかというと、まさにその通りだ」とAMDの社長兼COO(最高執行責任者)ダーク・マイヤー氏はこの日アナリストに向けて語った。「今後はもっとうまくやるつもりだ」
AMDの最初の問題は、同社が発見した技術的なバグを修正することだ。同社は先週、このバグが原因で、クアッドコアのサーバプロセッサ「Opteron」とデスクトッププロセッサ「Phenom」に問題が起きた可能性があると明らかにした。同社は今四半期中に「数十万個」のクアッドコアプロセッサを出荷する予定だが、生産を最適レベルにまで増強できるのは2008年第1四半期になると、同社コンピューティングソリューション部門上級副社長マリオ・リバス氏は述べた。
また同社は、第1四半期までにクアッドコアOpteronのクロックスピードを引き上げる予定だ。同プロセッサは9月にデビューしたとき、クロックスピードは最高で2.0GHzで、期待はずれだと思われた。同社は近いうちに2.3GHzと2.5GHzのモデルを投入すると約束してきた。
サーバプロセッサに関しては、45ナノメートル(nm)クアッドコアプロセッサ(コードネーム「Shanghai」)を2008年第2四半期までに提供できるとAMD幹部は自信を見せた。現行のOpteronとPhenomは65nmプロセスで製造されている。同社幹部は、Shanghaiが登場するまでにはすべての技術的問題が解決し、製造施設は顧客の需要を満たせるようになっていると確信していると語った。
同社は2010年までに登場する製品についてもいくらか明らかにした。
2009年には、サーバ向けの8コアプロセッサ「Montreal」と、新しいシステムプラットフォーム「Piranha」を発表する計画だ。このプラットフォームは、クアッドコアあるいは8コアのプロセッサをサポートし、新しいAMDチップセットを含み、チップ間を高速でつなぐHyperTransport 3.0技術をサポートする。DDR3メモリにも対応する。
モバイル分野では、新しいノートPCプラットフォーム「Puma」が2008年前半に用意できると、リバス氏は聴衆に請け合った。デスクトップに関しては、AMDは先に新しいプラットフォーム「Peruses」を発表している。メインストリームのデスクトップ向けで、Phenomプロセッサ、 ATIのグラフィックスプロセッサ、新しいチップセットを組み合わせたものだ。リリースは2008年第1四半期に予定されている。
AMDはサーバ市場で大きくつまづいたが、ノートPCとデスクトップPC向けの製品は安定しており、インテルに本格的に挑戦できる分野だということが示されている。調査会社iSuppliが12月3日に公開した報告書によると、デスクトップPC・ノートPCの市場は拡大しており、市場が堅調なためインテルもAMDも恩恵を受けたという。
また同社は2009年に、CPUとGPU(グラフィックスプロセッサユニット)を同じシリコン上に統合するという夢に一歩近づく。当初「Fusion」と呼ばれたこの計画は、2006年のATIのグラフィックス製品取得で実現するものだ。
AMDは同年に、「Accelerated Processing Unit」という新しい名称の下、GPUと1個以上のCPUを同じチップに載せた「Swift」を提供開始する。このCPUは、現行Phenomラインで使われているAMDのマイクロアーキテクチャ「Star」の一部となる。このチップを使った新しいノートPC向けプラットフォーム「Shrike」も計画しているが、同社幹部は詳細を語らなかった。
さらにAMDのATI部門は1月に、ローエンドおよびメインストリームのグラフィックスチップなど、いくつかの新しいグラフィックス製品をリリースする予定だ。
(eWEEK Scott Ferguson)
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