諸外国で一定の効果

スパム防止にオプトイン規制検討へ

2007/12/21

 総務省は12月21日、同省が主催する「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」がとりまとめた中間報告を公表した。研究会は今年7月から行ってきたもので11月中に個人・法人から寄せられた計24件のパブリックコメントを勘案して報告をまとめた。報告ではオプトイン方式による規制の採用や、現行の特定電子メール法では規制の対象とならないフィッシング詐欺やボットネットによるメール送信も対象に含めることなどの提言が盛り込まれている。

 日本では2002年に迷惑メール防止の目的で特定電子メール法が成立、7月に施行された。広告メールなどに「未承諾広告」という文字の表示を義務づけたほか、メールアドレスの自動生成による大量送信を禁じた。3年おきの改正では規制対象の適用範囲を広げてきたが、依然迷惑メールは増加基調にある。フィルタリングサービスが普及したケータイ向けでは大幅な減少が見られるものの、PC向けでは送信されるメールの7、8割が迷惑メールであると見られる。

 過去5年ほどの間に欧米やアジア諸国では「オプトイン方式」(受信者の事前の同意を得ない送信の禁止)による規制の採用が進んでいる。オランダでは、オプトイン方式の規制採用に合わせて多くの警告や厳しい罰則を科すなどすることで効果を挙げ、迷惑メールを85%減少させたという。こうした国々で一定の効果を挙げていることに鑑みて、報告書では我が国でも何らかのオプトイン方式を導入すべきだとしている。国際的な協力体制の構築する上でも、世界的な潮流は無視できない。

 法的実効性を上げるための執行体制の整備も課題だ。例えば2005年の法改正では送信者情報を偽ったメールの送信も禁止されるようになったが、同項違反の容疑で検挙されたされたのは、現在までにわずか3件にとどまっているという。

spam01.png 諸外国でのオプトイン方式導入状況(迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会による中間とりまとめより引用)

(@IT 西村賢)

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