パイロットプロジェクトとして米議会図書館が約3000枚を公開

著作権者不明の写真コレクション「The Commons」、Flickrが新ページ

2008/01/18

 米議会図書館は1月16日、保有する印刷物や写真などの画像を写真共有サイトのFlickrで公開するパイロットプロジェクトを開始したことを明らかにした。現在、同図書館が保有する約1400万枚の写真のうち、約3100枚を公開している。

 公開した写真は、世界大恐慌の影響を受けた農村地帯の貧困を記録するためにルーズベルト大統領が1935年に開始した「FSA」(Farm Security Administration)プロジェクトの成果であるコレクションと、1942年から1945年の戦時に活動した政府組織「OWI」(Office of War Information)が撮影したコレクション、20世紀初頭に活躍した報道写真家、ジョージ・グランザム・ベインの1910年代のコレクションを含む。歴史的な記録写真や無名の労働者など、いずれも貴重な画像で図書館での人気が高いという。

 今後、南北戦争の写真など、ユーザーの声を聞きながらコレクションを増やす予定という。

 写真の再利用について図書館では、「写真の利用を許可も拒否もできないが、出版、配布など再利用に関して著作権上の制限があるという事実は把握していない。肖像権は存在し得る」としている。

 Flickrでは、明確に著作権がクリアになっていないものの知的所有権を主張する人物の存在が知られていないこうした公的な資料写真について、新たに「no known copyright restrictions」とカテゴライズ。「The Commons」(http://www.flickr.com/commons)と呼ぶページをスタートした。今回のパイロットプロジェクトは、タグ付けやコメントによる情報提供により、デジタルコレクションを充実させるという目的がある。プロジェクトが順調にいけば、今後、米議会図書館だけでなく、同様の資料価値の高い画像を保有する機関にプロジェクト参加を呼びかけていくという。

 米議会図書館はより解像度の高い画像を独自にインターネット上で公開している。

flickr01.png

(@IT 西村賢)

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