2008年は2台目端末キャリアとして地歩固め

次世代データ通信ではUMPCも視野、ウィルコム

2008/01/21

 次世代高速無線通信で一躍注目を集めるウィルコム。2007年12月に、KDDI陣営とともに2.5GHz帯の事業免許を取得したウィルコムは、2009年10月には次世代PHSを使った商用サービスを開始する計画だ。1月21日に新製品発表の場に姿を現した同社代表取締役社長の喜久川政樹氏は、「現在、基地局と端末の開発に全力を尽くしている。端末については技術者が世界を飛び回って、複数のメーカーとの協議中、基地局も京セラをはじめとした各社と協力。予定通り進んでいる」と話し、事業計画が順調であることを強調した。

willcom01.jpg ウィルコム 代表取締役社長 喜久川政樹氏

 一方、この日に発表した新端末は、いずれも安価な音声サービスなどを目当てに“2台目”として利用するユーザーをターゲットとした従来の路線を堅持している。喜久川社長は「時期を見てワンセグやFeliCaを搭載した“1台目”の端末も出したい」としながらも、「ウィルコムの端末は音声端末として2台目で使っているユーザーが多い。使い分けるときに使いやすい端末を狙っている」と話した。

 喜久川社長によれば、ウィルコム端末同士の音声通話が無料であることが評価されている一方、メールの送受信についても添付ファイルのサイズによらず無料であることは知られていないという。例えば、ソフトバンクの端末で100KB以内の写真付きメールを送った場合、100円のパケット課金が発生する。5人に同報で送れば500円となるが、こうした料金もウィルコムでは無料だ。同社は今回、この点を訴求するため、いわゆる“デコメ”(HTMLメール)への対応、NTTドコモ、auとの絵文字の互換性の確保、メールボックス容量の拡充(1MB→15MB)などを行った(サービス開始時期は順に1月22日、2月下旬、今春)。「これまでは音声の1本足打法。これからはメールでも訴求していく」(喜久川社長)。

willcom02.jpg 新たに発表した小型・軽量の「X PLATE」(テンプレート)

 こうした施策について、「次世代PHSは重要な柱だが、現世代の音声やMVNO的なサービスなどの拡充もしていく。きちっとユーザーを増やして足場を作っていくという意味で2008年は重要」と同社の戦略を説明した。

 メール機能の充実のほか、同社が力を入れるのが新市場の開拓だ。昨年はスマートフォン製品でアカデミックパックを導入することで、大学生層での販売を伸ばした。また、オフィスの交換機(PBX)とウィルコムのネットワークを専用線接続し、定額でモバイル環境から内線通話ができるようにした「W-VPN」など法人向け市場でも手堅くニーズをつかむ。2007年後半は純減を続けて苦戦したが、こうした施策と新たに導入した割賦販売制度により12月、1月ともに純増へとペースを戻した。

 この日は音声とメールにフォーカスした端末の発表だけで、スマートフォンやデータ通信の分野で新しい端末やサービスに関して発表はなかったが、「16万基というマイクロセルの基地局を活用し、PHS通信を次世代において競争力のあるものに変えられると思っている。新しいマーケットが作れる可能性がある。UMPCについても、モバイルデータ通信を進化させるには必須で、次世代PHSに進んでいくうえで重要なファクターになっていくだろう」と話した。

 ウィルコムが発表した新端末と特徴は、以下の通り。

  • HONEY BEE

 若年層向け、京セラ製端末。2月下旬より順次発売。5色5モデル。薄さ9.9ミリ。ブラウザにOpera搭載。赤外線通信、W-OAM対応。絵文字、デコラティブメールに対応。

  • WX330K

 30代以上を意識した折りたたみ式端末。3月上旬発売。3色3モデル。15.6mmで130万画素カメラ内蔵。MicroSD対応。ブラウザにOpera搭載、赤外線通信、W-OAM対応。絵文字、デコラティブメールに対応。

  • X PLATE(テンプレート)

 中国でも使えるPIMカードスロット搭載のSII製端末。64gと小型・軽量。台湾、タイでのローミングにも対応する。

  • 9(nine)+

 ストレートタイプのロングセラー機。3色3モデル。1月末から各色順次発売。あえてスタイルを変えず、メール関連の新サービスに対応するマイナーチェンジ。

  • WX321J-Z

 指紋センサー搭載の法人向けモデル。2月下旬発売。新たにW-VPNに対応。

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(@IT 西村賢)

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