シンクライアントの選択肢を増やす

シトリックス、Hyper-Vと共存しデスクトップ仮想化を拡大へ

2008/01/28

 シトリックス・システムズ・ジャパンは1月25日、2008年の事業戦略を説明した。同社にとって、XenSourceの買収で獲得したサーバ仮想化ソフトウェアは今後の事業拡大の大きな柱になる。しかしその展開は、新仮想化ソフトウェア「Hyper-V」を今年中に提供開始予定のマイクロソフトとの共存を基本に進めていく考えだ。

 シトリックス・ジャパンは同日、「Citrix XenServer 4.0日本語版」とその配備を支援する管理ツール「Citrix Provisioning Server for Datacenters 4.5」を受注開始したと発表した。XenServer 4.0のEnterprise EditionはXenServer、Hyper-Vの仮想サーバを統合的に管理できる。Provisioning Serverでは、仮想マシンのイメージを事前に用意しておくことで、オンデマンドで製品シリアルコードを適用し、新たな仮想サーバを作り出して配備することが可能。

 同社では、Hyper-Vがまだ出荷前であること、その機能が当初の計画に比べて削減されていること、マイクロソフト環境以外でサーバ仮想化を利用したいユーザーが存在することなどから、XenServerへのニーズは確実に存在するとしている。同社 代表取締役社長の大古俊輔氏は、XenServerに期待していないなら「年間売り上げに対してこれほど大きな金額を払って買収するわけがない」と答えた。

 一方で米シトリックスは、同社製品群によるマイクロソフトのWindows Server 2008、Hyper-Vへの積極的なサポートを宣言している。シトリックスとマイクロソフトは、2社の仮想マシン環境の統合的な管理と移行をそれぞれの管理ツールで実現する。マイクロソフトとのサーバ仮想化に関する相互協力は、「Citrix Presentation Server」がマイクロソフトのサーバ製品をプラットフォームとしてきたことの延長線上にあると大古氏はいう。これは、マイクロソフトがサーバ仮想化で大きな市場を形作っていくなら、この市場でもビジネスをしていくという意味だ。

 仮想化ソフトウェアは、その周りに各種の管理ツールを用意することで、さまざまな用途に利用できる。シトリックスがまず推進していくのはデスクトップの仮想化だ。シトリックスはこれまで、シンクライアントを実現するための選択肢として、Presentation Serverによるターミナルサービスを提供してきた。XenServerを手にしたことにより、同社はデスクトップOSをサーバ上で仮想マシンとして稼働し、これをシンクライアントからアクセスして利用する方法を、もう1つの選択肢として提供できるようになった。

 実際に同社は、XenServerにProvisioning Server、そして仮想PCのセッションコントロール機能を組み合わせたスイート製品「Citrix XenDesktop」をまもなく提供開始する。この製品では同社がPresentation Serverで用いてきたICAプロトコルを利用、RDPと比較して高速な画面転送を実現するという。

(@IT 三木泉)

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