OpenID 2.0準拠
Yahoo! JAPANがOpenIDの発行開始、使ってみたが……
2008/01/30
ヤフーは1月30日、OpenID発行のベータサービスを開始すると発表した。Yahoo! JAPAN IDと関連付けられるOpenIDを使って外部のOpenID対応サイトにログインできる。Yahoo! JAPAN IDは2136万IDがあり、国内のOpenID取得者が一気に増える可能性がある。
OpenIDの発行はヤフーのWeb サイトで行う。ユーザーがすでに持つYahoo! JAPAN IDとパスワードを入力するとOpenIDが発行される。OpenIDではURLをIDと利用する。ただ、ヤフーが発行するOpenIDのURLには、ランダムな文字列が含まれる形。ヤフーが推奨するのは、OpenIDの入力ボックスに「yahoo.co.jp」と入力してYahoo! JAPANのログインページに移動し、Yahoo! JAPAN IDを入力する利用法だ。ヤフーの広報担当者は「ランダムなOpenIDなのでYahoo! JAPAN IDでログインしてもらう」と話した。
【@IT関連記事】
@IT編集部ではヤフーの発行サービス開始を受けて、OpenIDを取得。国内外のOpenID対応サイトにログインしようとしたが、Plaxoなど一部のサービスを除き、ログインできなかった。ヤフーの広報担当者は「OpenID発行サービスは最新のOpenID 2.0に準拠している。発表文にきちんと書くべきだったかもしれないが、そのため国内のOpenID対応サイトはまだ対応できていないと思う」と話した。ヤフーはWebサイトに「お客様の安全を考慮して、Yahoo! JAPANのOpenIDでは、OpenID2.0の仕様に対応したサイトにしかログインできません」と記述している。
そのうえで、「OpenID対応サイトの開発者に向けて2000万のYahoo! JAPAN IDを使ってもらうというのが基本」と説明し、中小企業やベンチャー企業が運営するWebサイトでも認証システムを用意せずに新しいサービスを展開できることをOpenIDのメリットと話した。
ヤフーの考えはYahoo! JAPAN IDと、Yahoo! JAPAN IDを補助するOpenIDの2本立て。同社はYahoo! JAPAN IDを外部のサイトにも拡張している。ヤフーは「パートナーとのより深い関係は Yahoo! JAPAN IDを使って行う。OpenIDは中小企業やベンチャーなどのサイトで使ってもらいたい」と話した。
また、Yahoo! JAPANのサービスがOpenIDを受け入れるかどうかは「いまは考えていない。だが、将来的には一部サービスで受け入れる可能性もある」と述べた。
関連リンク
情報をお寄せください:
- Windows起動前後にデバイスを守る工夫、ルートキットを防ぐ (2017/7/24)
Windows 10が備える多彩なセキュリティ対策機能を丸ごと理解するには、5つのスタックに分けて順に押さえていくことが早道だ。連載第1回は、Windows起動前の「デバイスの保護」とHyper-Vを用いたセキュリティ構成について紹介する。 - WannaCryがホンダやマクドにも。中学3年生が作ったランサムウェアの正体も話題に (2017/7/11)
2017年6月のセキュリティクラスタでは、「WannaCry」の残り火にやられたホンダや亜種に感染したマクドナルドに注目が集まった他、ランサムウェアを作成して配布した中学3年生、ランサムウェアに降伏してしまった韓国のホスティング企業など、5月に引き続きランサムウェアの話題が席巻していました。 - Recruit-CSIRTがマルウェアの「培養」用に内製した動的解析環境、その目的と工夫とは (2017/7/10)
代表的なマルウェア解析方法を紹介し、自社のみに影響があるマルウェアを「培養」するために構築した動的解析環境について解説する - 侵入されることを前提に考える――内部対策はログ管理から (2017/7/5)
人員リソースや予算の限られた中堅・中小企業にとって、大企業で導入されがちな、過剰に高機能で管理負荷の高いセキュリティ対策を施すのは現実的ではない。本連載では、中堅・中小企業が目指すべきセキュリティ対策の“現実解“を、特に標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)対策の観点から考える。