VMware対応の運用自動化ツール発表
ITインフラ仮想化ではストレージが焦点に、ネットアップ
2008/02/14
日本ネットワーク・アプライアンスは2月14日、サーバ仮想化関連の新たな製品と機能を発表するとともに、同社のサーバ仮想化対応戦略を説明した。
ネットアップは同社ストレージの運用管理ソフトウェア2製品「SnapManager for Virtual Infrastructure」(SMVI)、「Provisioning Manager」を発表した。出荷は第2四半期を予定している。
SMVIはVMware ESX Serverによるサーバ仮想化環境で、ゲストOS(仮想サーバ)単位でのデータ・スナップショット取得とバックアップ、リカバリのプロセスを自動化するツール。各ゲストOSについて別個のスケジュールを設定し、その稼働を止めることなくバックアップが行える。遠隔拠点にストレージ上のデータを複製する機能である「SnapMirror」と組み合わせて、仮想サーバのディザスタ・リカバリも実現できる。
ネットアップは併せて、既存SnapManager製品のVMware対応も発表した。Oracle Database、SQL Server、SharePoint Server、Exchange Serverそれぞれのデータのスナップショットを稼働を止めずに取得するのがSnapManagerの役割。今回はアプリケーションが仮想サーバ上で動作している場合にもスナップショットの取得とリカバリが行えるようになった。
一方Provisioning Managerは、適用RAIDレベルをはじめとする一連の設定を定義したストレージ・ポリシー・グループを作成することで、サーバへのストレージ容量割り当てのプロセスを自動化するツール。物理サーバと仮想サーバに共通して適用でき、ストレージの利用状況の監視や容量の追加を実施できる。
「サーバの仮想化はITインフラの仮想化の半分でしかない。多くのユーザーは、仮想化にネットワーク・ストレージが必要だということは認識しているが、それ以上の理解が進んでいない」と日本ネットワーク・アプライアンス マーケティング部 部長 阿部恵史氏は話した。
これまでのストレージ・システムでは、複数のディスクドライブで構成されるRAIDグループとアプリケーションが1対1の関係を保っているため、システム全体としての利用効率は向上しない。このため、サーバ仮想化が実現するはずの柔軟性を、データ格納の観点からは提供できないと阿部氏は言う。
ネットアップではRAIDグループにまたがってボリュームを作成し、さらに「シン・プロビジョニング」と呼ばれる機能でストレージ容量をプール化し、必要に応じて払い出す仕組みを数年前から提供している。データ重複排除機能も同社製品のすべてで利用可能になっており、今回発表のSMVIでは仮想環境におけるストレージ関連の管理作業を大幅に自動化することで、サーバ仮想化がもたらす複雑性を回避し、逆に簡易化することができるという。
ストレージの利用効率、リカバリの所要時間、消費電力量削減効果のいずれに関しても、ネットアップの製品はサーバ仮想化のメリットを最大化できると阿部氏は話した。
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