グーグルはコンシューマー向け検索

ビル・ゲイツ氏「グーグルは企業ニーズが分かっていない」

2008/03/04

 グーグルのモデルはコンシューマー向け検索を中心にしており、同社は企業の特殊なニーズを理解していない――マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は3月3日、2008 SharePointカンファレンスで来場者にこう語った。

 グーグルがSharePointに及ぼす脅威についての質問に対し、ゲイツ氏は「グーグルのプロダクティビティツールは当社製品のような機能と反応の速さがない。グーグルツールに関して言えば、発表された日が最高の日だ。Google Talkを思い出してほしい。私は名前もほとんど思い出せない。これは世界を変えることになっていた」とゲイツ氏は語り、笑いと喝采が起きた。

 これに対し、SharePointはエンドユーザーと作業をこなすための機能が中心だと同氏は言う。

 マイクロソフトがヤフーを買収する可能性、それが今後SharePointに及ぼす影響について聞かれると、同氏は、SharePointにほとんど影響はないだろうが、この買収はマイクロソフトがコンシューマー向け検索にいかに本気で取り組んでいるかを反映するものだと答えた。

 「ヤフー買収提案は、われわれが検索に前向きであることを示している。しかし、買収が成立するかどうかを予測するのは難しい」(ゲイツ氏)

 米大統領選で誰に投票するかとの質問には、同氏ははっきりとは答えず、特に自身の財団に関して最も関心を持っていることの1つとして、世界的な保健の問題を挙げた。

 現在の大統領候補はいずれも重要な公約を掲げており、それに力を入れている。「しかし、それ以上の具体的なコメントはしない」と同氏は述べた。

 データセンターへのユニバーサルアクセス、SharePointでデータモデルが変わるかどうか、Exchangeのデータストアの変更計画についての質問も寄せられた。

 SharePointの次のバージョンは、リストタイプの機能に向けて大きく前進するとゲイツ氏は語り、リストのセマンティクスをデータセンターに取り入れたいと付け加えた。

 SharePointはSQLを土台としているが、その上には論理レイヤがあり、マイクロソフトはそれを次のSharePoint製品に落とし込もうと取り組んでいると同氏は語った。

 Exchangeには独自のデータベース環境があり、SQLにも独自のデータストアを持たせる理由は十分にあったが、今後OutlookとExchangeはSQLデータストアを採用する。「当社はそのための作業を進めており、ストレージの統一がどれほど重要かを説明している」と同氏は言う。

 このデータベースによるリレーショナル化や、入れ子テーブルなどを可能にすることについて聞かれると、ゲイツ氏は、現在リストはすでに重要になっており、SQLロードマップはマイクロソフトのこれまでのリストへの取り組みを取り入れることになるだろうと答えた。

原文へのリンク

(eWEEK Peter Galli)

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