FlexRay対応半導体製品発表、NECエレ
次世代車載LAN規格対応マイコン出荷、制御システムの電子化加速
2008/03/04
NECエレクトロニクスは3月4日、次世代車内LAN向け通信プロトコル「FlexRay」に対応した製品の本格展開を開始すると発表した。コントローラ機能を内蔵した32ビットマイコンおよびトランシーバLSIの製品群を拡張、ソフトウェアの検証ツールや開発支援ツールの整備を図る。FlexRay対応システム構築のための32ビットマイコン「V850E/PHO3」の量産とトランシーバLSI「μPD72751」のサンプル出荷を始める。
「V850E/PHO3」は、電動パワーステアリング、ブレーキ、サスペンション制御をターゲットとする。特にステアリング制御については、現在でも一部電子化が進んでいるものの、機械制御をアシストする段階にとどまっている。FlexRayの採用により、完全電子化の道がひらけると同社は説明する。曲がる、止まるといった基本動作を電気信号でアクチュエータに伝える技術の導入も検討されており、「将来的には、滑らない車の開発も期待できる」(同社)とする。
「μPD72751」は、FexRayコンソーシアム発行のEPL(Electrical Physical Layer)スペックに準拠したトランシーバLSI。車載用途のノイズ環境を考慮した高耐電磁気特性を実現しているのが特徴。
FlexRayのメリットは、車載制御系通信規格として現在主流のCAN(controller area network)と比べ10倍となる最大10メガビット/秒の通信速度を有する点。このため、精密制御、高機能化によるデータ量の増加にもスムーズに対応できる。また、通信回線をニ重にし、1回線に不具合が生じても、もう一方の回線が継続して通信を行うため、システム異常の回避率が高い。さらに、時間管理されたECU(Engine Control Unit)の送信権を周期的に割り当てるタイムトリガ方式を採用、システム上重要なデータが競合で送信できなくなるなどの問題を回避する。
NECエレクトロニクスの車載マイコンの売り上げは2007年度でおよそ1000億円。2015年度で2000億円を目標とする。
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