インドで年間出荷台数の前年比80%増を記録

デル、BRICs市場の伸びで業績好調

2008/03/05

 デルは3月5日、都内で会見を開き、2007年の実績と今後の同社の戦略について説明した。

 米デルで日本を含むアジア・パシフィック地域の統括責任者を担当するスティーブ・フェリス氏によれば、同社のワールドワイドでの売り上げは前年比6%増の611億ドル。営業利益は12%増の34.4億ドル。2007年には、全世界でのPC出荷台数シェアでヒューレット・パッカードに首位を奪われたが、BRICs地域で売り上げが急増したことで、全体では成長は加速傾向にあるという。インドで年間出荷台数が前年比80%の伸びを記録。ブラジル、ロシア、インド、中国の4地域の第4四半期の出荷台数も前年比50%の伸びとなったという。ポーランドやインド、ブラジルに生産拠点を置き、「それぞれの地域ごとに特化した製品作りをしていく」(フェリス氏)という。

dell01.jpg デル日本法人のジム・メリット代表取締役社長

 製品別で見て伸びが著しいのはノートPC。2007年中に同社は9つの新製品をリリース。第4四半期の売り上げは前期比24%増となった。デスクトップPCとノートPCの出荷台数比率は半分ずつという。日本を含むアジア市場での同社の売り上げ構成比率ではノートPCは3分の1程度にとどまっており、今後も同市場でモバイル製品の伸びに期待できるという。設立以来、オンライン販売による受注生産方式で売り上げを伸ばしてきたデルだが、昨年はビックカメラやベスト電器など店頭でのリテール販売も開始。日本市場では個人ユーザー向けとして一体型PCの「XPS One」を投入するなど攻勢を強めている。

 IDC Japanの調査によれば、デルの日本市場での2007年の年間シェアはNEC(20.3%)、富士通(18.7%)に続く3位で14.0%。国内のPC出荷台数は2007年に前年比1%減の1414万台と減速しているが、「ノートPC製品の出荷台数は急速に増加している」(デル日本法人のジム・メリット取締役社長)ほか、法人向け事業の売り上げの伸び率が市場の約2倍以上となるなど好調という。

 法人向けソリューションベンダとしてサービスポートフォリオも拡充している。2007年11月に買収したiSCSI対応ストレージベンダのイコールロジックを始め、リモートデスクトップ管理のEverdream、インフラ管理のSilverBack Technologies、ライセンス管理のASAP Software、法人向けSaaS型メールソリューションのMessageOneなどを買収。「デルの歴史のなかで23年の歴史のなかで、直近で7つの買収、そのうち4つは昨年中に行った」(メリット氏)。今後は国内での販売パートナーとの協力を進めていくという。

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(@IT 西村賢)

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